いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ガール・オン・ザ・トレイン

【概略】
離婚したレイチェルは電車から見える「理想の夫婦」の姿に慰められていたが、ある朝、その妻の不倫現場を目撃し…。
サスペンス


.5★★★☆☆
エミリー・ブラント主演、共演にヘイリー・ベネット、レベッカ・ファーガソン、ルーク・エヴァンス、エドガー・ラミレス。
ヒロインがアルコール中毒の設定で、記憶がなくなっているというご都合主義が最後までもやもやしました。私アルコール類が飲めないので、酒を飲んで記憶がない、という感覚がわからないからです。このブラックアウト状態のときを、真犯人に利用されてしまうのですが…。

【レイチェル】。これがまああんまり好きになれないある意味で等身大のキャラクターでした。電車内で妄想を膨らませて(これはよくある)勝手に現場に押しかけ、素人探偵のように動き回る(これはよくない)結果、事件が起こって解決に向かっていく…。アルコール中毒で半分鬱に近い状態に陥っており、かつ、ストーカー体質でもあります。
【メガン】。夫のスコットと一緒に住んでいる、レイチェルにとっての理想の妻。レイチェルは通勤中の車窓から見える幸せそうなメガンのことを勝手に名付けてあれこれ想像して楽しんでいた。しかし実際の彼女は過去に娼婦だったり、妻だったり風呂で寝てしまい我が子を溺死させてしまった事などその悩みは深く、アナのところのベビーシッターを辞めようとしていた。
【アナ】。現在のトムの妻。トムとの間に娘が生まれている。レイチェルとトムが住んでいた、電車から見える一軒家にそのまま住んでいる。以前うたた寝をしている時に勝手に家の中に入り込んできたレイチェルに子供を連れ去られそうになったこともあり、レイチェルに恐怖を覚えている。

この三人の女性は、それぞれ形は違うけれども、出産&育児や家庭内での役割の在り方を巡り、夫たちに対し、苦悩していた。レイチェルは不妊治療に失敗し夫トムから愛想をつかされ不倫され、アナは無力な専業主婦、殺されたメガンは過去に子供を亡くした上、子供の父親が蒸発したトラウマを一人で背負い現在の夫スコットからも日常的に抑圧されていた。そして反対に、出て来る男性陣はカウンセラーのカマル以外、身勝手さの塊のようなダメ男ばかり。
ここが面白いところで、更に、後半での真犯人でもある、男性の「身勝手さ、傲慢さ」を象徴して描かれたトムを、正当防衛とはいえそれをやや超えた形でのレイチェルとアナの共同作業…ある意味での共通の「敵」を倒したこと(アナにとっては自分の夫だけれども母性のほうが強かった、娘を守るための変わり身)で二人は同性としてのシンパシーを感じたことでしょう。同時に、彼女らとっては苦痛や悩みを解放する決意の表れのようにもみえます。メガンはひたすらに哀しい女性でした。
トムはかなりの最低男っぷりでしたね。もはやダメ男という領域ではかばいきれません。ラスト近くにレイチェルに対し「君は犬だ」と言ったのも、「女性が自分にたてつくのが許せない」という心境の表れでしょう。彼は自分の今の妻アナも含め本気で女性を愛したことなんてなかったのでしょうね!それを象徴するのが、パソコンのパスワード。アナが考えつく限りの女性名や、娘の名すらパスしなかったのですから。
結局、レイチェルの素行不良はトムのでっち上げで、偽情報を渡されたあげく、真実を思い出したら殺されかけて。物語自体はそこまで難解ではないけれども、時間軸がバラバラなのがややこしくみえるように思える要素かも。

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