いやいやえん

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悪魔が来りて笛を吹く

【概略】
宝石強奪事件の犯人として、警察に疑われた元子爵の椿英輔が自殺。彼の娘・美禰子は父の死に疑問を持つが…。
サスペンス


.5★★★☆☆
古谷一行が金田一耕助に扮した、横溝正史原作ミステリーのTVシリーズの一作、全5話。
「帝銀事件」を一部モデルにしている作品。
椿えいすけ、ではなく原作ではひですけなのですが…(笑)ドラマ版だけあって粗も多いですが。等々力、日和警部が出ています(日和さんのほうが上?)。
生き人形のような元華族のあき(火へんにノ木)子夫人役の草笛光子は原作の白痴美的な美しさではない(何も出来ない少女のような人なんだけど…)。またあき子の兄・新宮利彦との退廃的な関係が巧く描かれていないのは、妙海尼が知る新宮家の秘密と小夜子と治雄のエピソードがほとんどなくなってしまっているからかも。むしろここが大変重要なエピソードであるのに。それがないから、あき子と利彦のラブシーンを入れる羽目になっていて、あまりにもはっきり描きすぎているので近親相姦の恐ろしさがあまり伝わってこないのではないか。小夜子にして「畜生道におちいった」と言わしめたおどろおどろしさが皆無である。
とはいえ、「悪魔が来りて笛を吹く」のフルート曲、華族の屋敷とそこに集う人々、毒殺事件の容疑者の失踪、密室殺人、兄妹相姦、悪魔の紋章と、引き込まれる要素は保っている。
原作にして読後のなんともいえない感情と表記しめた作品であり、犯人の動機の背景のなんともいえず気持ちの悪さを感じずにはいられない作品として、非常に優れたる作品でもある本作、このドラマ版では粗も多く演技達者な人選が逆にマイナスになってるところもありますが、テンポ良く描かれていました。余計な殺人まで描かれてるのは意外でしたが。母子の哀しみをだすためか、あき子の死も変えられている。原作のほうが好きだなあ。
そしてこのフルート曲の真相の衝撃的なこと。そこに犯人であるという証拠が隠されていようとは、誰もが予想できないことではないだろうか。

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