いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

太秦ライムライト

【概略】
京都太秦撮影所を舞台に、斬られ役として日本映画を支え続けてきた大部屋俳優と、その弟子となった駆け出し女優との交流を描く。
ドラマ


.0★★★★☆
実際の斬られ役専門の役者・福本清三さんを本作でも斬られ役として出演させたドキュメンタリータッチの物語。
実際に昨今面白い時代劇がないという憂いや数自体が減っている、あっても人情ドラマだとか、ジャニーズ主演だとか、わけのわからない時代劇が跋扈している中、こういった時代劇本来の味でもある「殺陣」を主に扱った作品が出てくる事は、なんとはなしだけれど嬉しいものである。
私が小学生の頃は、面白い時代劇たくさんあったなー。ちなみに当時好きだった「殿さま風来坊隠れ旅」のDVD化を今でも待ち望んでいたりもする。一般に見やすいものだと、渡辺謙さんの娯楽時代劇「御家人斬九郎」もあったよね、あれも面白かった。水戸黄門もみてたし、ほんとに小さい頃から暴れん坊将軍も見てた。日曜の大河ドラマも欠かさず見てた。
だから殺陣というもの、殺陣師というものにほのかな憧れを持っていた。太秦に行って見たいという漠然とした思いも。
最近の時代劇は画面や建物などがきれいな事もあって、生活感がないんですよ。役者も時代劇専門じゃないから、違和感がある。そしてTVを見なくなった。時代小説で妄想してるほうが面白いべ、ということになる。
福本演じる香美山は、いまや灯火寸前の時代劇の生き証人でもある。それでも、斬られ役という仕事に、プライドをきちんともっている。黙する背中が、時代劇への愛を語っている。
そこに、ヒロインのさつきが絡んでくる。香美山に師事した彼女は、殺陣を彼に学びながら撮影の時代の変化を感じていく姿が、とても現実的で、泣けてくる。だって、今、殺陣ってる時代劇ってある?斬られ役専門の役者が刑事もののチンピラの死体の役を演じたりする。せつないよね!
時代劇に関わらずだけど、何でも、主役だけが頑張ったってダメなんですよね。裏方側の人間が、主役にスポットを浴びせるのだ。ライムライト…タイトルになっているこの表現でも良い。どう主役に上手く斬られるか、それだけを考えた50年以上の人生、彼の存在は重いと思います。斬られ役一人一人にだって、斬られて倒れるまでの「動き」というものがあり、その動きによって主役の輝きは、増す。端役なんかじゃないよ、みんなで世界を作り上げていくの。
斬られ役が下手だとイラッとするとき、あるよね?そんな死に方あるかああ!ってツッコミたくなる。時代劇の見せ場、殺陣シーンだからこその気持ちなんだろうなあ。めっちゃ泣けたこれ。

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