いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

海の上のバルコニー

【概略】
初恋の女性と運命的な再会を果たしたマルク。ふたりは情熱的な一夜を過ごすが、その後彼女は突然姿を消してしまう。マルクは必死に捜すが、彼女がすでに死亡していると知り…。
ドラマ


.0★★★☆☆
記憶を彷徨う幻の女(ひと)。きみはいったい誰なのか。ジャン・デュジャルダン、マリ=ジョゼ・クローズさん共演。
紛争中のアルジェリアに住んでいた子供時代の初恋の相手に再会したマルクは、思わぬ再会から情熱的な一夜を過ごすも、その後彼女は突然姿を消してしまう。さらには彼女は紛争中に死亡していたという話を耳にしたマルクはますます混乱に陥り…。
ジャン・デュジャルダンさんの真面目な作品(失礼^;)って実ははじめてですが。「アーティスト」はみてないし、「OSS 177 私を愛したカフェオーレ」くらいなんだもの(しかもこの記事で「昔の俳優さんみたいな雰囲気」とか書いてますね、私。ぷっ)

過去の日々を語り合ったあと、2人はごく自然に深い関係へ…しかし彼女は突然姿を消すのです。キャティの行方を追うマルクは、やがて彼女の家を探し出し、そこで彼女の子供時代の写真を見てすべてを悟る。キャティのほかにもう一人、あのとき少女がいた。お菓子屋の娘マリ=ジャンヌ。当時の彼女は、マルクに片思いをしていて、キャティに憧れていたおとなしい少女だった。
そういわれてみれば、最初にキャティと呼ばれたときとか、お菓子屋さんの名前とか、一緒に共演したお芝居の事だとか、反応がアレだったんだよね。結局勝手に取り違えたのはマルクで、それを黙って訂正しなかったのはマリ=ジャンヌ。彼女は昔のキャティへの憧れの思いもあったのでしょうか。自分がキャティになることで、過去に戻れるのなら…と。
しかし現在の彼女は、父親の借金からマルクが勤務する不動産会社のセルジオの愛人に。そして不動産詐欺の片棒を担ぎ、偽の売買契約の代理人を演じていたのでした(この辺、どういう詐欺かよくわからなかった)。マルクへの思いを断ち切れないマリ=ジャンヌは、踏みとどまる。過去を清算した彼女はありのままの自分である役者の道を選択するんですね。
しばらくして、マルクの前に再びマリ=ジャンヌが訪ねてくるのですが、話を聞いていくマルクの表情が穏やかに変化していくのがなんだか凄くよかった。マルクの過去を辿った屋上での涙がずっしりと胸に来た。かつて愛した少女の本当の喪失。また、その後のラストシーンの短い会話が凄く意味深なものに思えて、単純に道に迷ったのではなく、胸に秘めたものを探していた(迷っていた)と私には思えてなりませんでした。

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