いやいやえん

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マンク 破戒僧

【概略】
17世紀のマドリッド。町中の人の尊敬を集める優秀な僧・アンブロシオが、ある女の罠に掛かりあらゆる悪徳に身を染めていく。
スリラー


.0★★☆☆☆
悪魔の力は、我々が与えた力だ。
ヴァンサン・カッセルさん主演。キリスト教が絶大な権力を握っていた中世ヨーロッパで、1人の修道士の苦悩と葛藤を通じて宗教とは何かを問う問題作。
修道院に捨てられていた赤ん坊は右肩に痣があったが大切に育てられる。やがて成長し、厳格な規律を課し禁欲と節制を誓ったアンブロシオは酷い頭痛に密かに悩まされていた。巧みな説教で人気を得る聖職者になった彼の元に、不思議と彼の頭痛を癒す、仮面をかぶっている見習い修道士バレリオがやってくる。実は「彼女」であったこの女の誘惑にかかり関係をもってしまった彼は、戒律を破るという事に見境がなくなっていき…。
宗教もののスリラーなので、ちょっと解りづらい。一度戒律を破ってしまったアンブロシオの理性は崩壊し、とり憑かれたかように欲望の虜になっていく。
しかし不思議と魅了されたのはアントニエという少女だった。何度も出てくる夢の中の若い女性(マリアの象徴)の姿に重なったのだ。アンブロシオはアントニエと交わるが、それを見た母親のエルヴィレは右肩の痣を見て驚き、アンブロシオはエルヴィレをはさみで刺し殺す事に。
姦淫・殺人まで犯したアンブロシオは、少女アントニエと母親エルヴィレとの因縁(アンブロシオの実の母だった…つまり姦淫した少女は妹)が明らかになった時、己の罪深さに苛まれることになる。その様は実に人間らしい、愚かさと罪深さに満ちていた。神の名の下かつて恋文を書いていた修道女を獄死させていた事実から、因果が巡ってきたとも思えます。
最初と最後のシーンの対比も良くできており、誕生から死までをカラスが関係しているというのもどこかあの痣のように死(悪魔)が彼を掴んでいたようにも感じれますね。悪魔の力は、我々が与えた力だ。冒頭でそう述べていた高潔な彼はもういない。そこにいるのはひとりの人間だった。

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