いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

【概略】
9.11で最愛の父を失ったオスカーは、父が遺した1本の鍵にメッセージが込められていると信じ、鍵穴を探す旅に出る。
ドラマ


.0★★★☆☆
あの日は、TVのチャンネルがどこもビルの崩壊を映していて異様に思っていた。何が起きたのかよくわからなかったし、テロだといわれても実感がなかった。幸い知り合いも誰もいないので切羽詰まった心配をすることはなかったが、歴史に残る大惨事となってしまった。
誰にでも必ず訪れる大切な人の理不尽な死は、受け入れ難いもの。9.11同時多発テロで父を失った神経恐怖症ぎみのオスカーは、謎の鍵が父からのメッセージだと思い込み、その鍵がどこの鍵のものなのか探すというストーリーだ。
序盤の少年は、傍若無人で悲劇のヒーローを気取ってすらある。母親に向かって母親が父親の代わりに死ねばよかったとも言う始末。それが本心であることを母親もが知っている。オスカーにとって父親は誰よりも大切な人だったから。しかし彼が心の底から叫んでいた嫌いな物が全部9.11繋がりだというのは切なくなりましたね、人々の心に与えた衝撃は大人も子供も変わらないんだって。
オスカーがマックス・フォン・シドーさん演じる間借り人の老人と出会ってからが面白くなる。ブラックと鍵の封筒に書いてあったことから市内のブラックさん宅へと足を運ぶオスカーと老人。間借り人の老人が昔出て行った祖父であろう事は想像に易い。そしてこの祖父にオスカーはある事を打ち明ける。それは例の留守電のことなのだけれど…。
結果として鍵は父からのメッセージではなく、ブラック家の父から子への贈り物だった。そこでオスカーは誰にも話をしていないことを話し始める。あのとき、本当は何があったのか…。
しかし後半は、身勝手な子供の視点から、母親の大きな愛の姿へと変貌する物語だった。実は母リンダはオスカーが何をしているか知っていて、彼が訪ねるであろうブラックさんの家に先回りまたは連絡して、息子のためにあらかじめ話をしておいたのだった。こんな大きな愛があろうか。
出会った人たちの話を母親とするシーンが感動的だった。同じ喪失を分かち合ったもの同士が本当の意味で再生するシーンですね。
しかしラストのパパの手紙のシーンはやりすぎだしちょっとあざとくて泣くまではいかなかったのが残念。