いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

私の、息子

【概略】
事故を起こした息子のために奔走する母。過保護から逃れようともがく、自立できない息子。心震わす感動の結末とは…。
ドラマ


.5★★★☆☆
自分の息子に対する愛情を再確認すると共に、自らの視野の狭さに気付く物語。母は、それまで知らなかった息子の姿を知る事になるのです。
ルーマニアに住むコルネリアの悩みは、30歳を過ぎても自立しない一人息子バルブのこと。社交界の名士が集うコルネリアの誕生パーティにも顔を出さず、会えば悪態をつくばかりの態度や、彼の恋人でシングルマザーのカルメンへの不満など、コルネリアの愚痴は溜まるばかりであった。
そんなある日、思いがけない知らせが入る。バルブが交通事故を起こし、子供を死なせてしまったのだ。警察署に急行したコルネリアは、憔悴しきったバルブを目にする。コルネリアはバルブに不利な証言をさせまいと、取り調べの場を仕切り、陳述書を無理やり変えて担当警官の怒りを買うが、警察上部にコネのある彼女に地元警察は逆らうことが出来ない。コルネリアは息子を救いたい一心で、あらゆる手段に訴えていくのだが…。
実際に子供をもったことがないので、この親心は想像しか出来ないが、母の愛とその子供の苦悩という物語が、しっかりと伝わってくる秀作でした。一方でこの親子のダメっぷりが強調されて、ちょっとイラッともするんですが。
財力とコネを駆使して息子を救うべく奔走を始めるコルネリアの迅速な行動が見どころでもあるのですが、一方の加害者である息子は、刑罰を最小限にしようとする母の行動にいちいち反発するんですね。
またカルメンからバルブと別れる話を聞くコルネリア。それは、彼の子供に対する気持ちが原因だった。
結局、コルネリアはカルメンとバルブを伴って車で被害者の両親宅へ行くのですが、息子はその家の前までは行くものの、車から出て直接謝罪しようとはしないのです。コルネリアは息子の人生を壊さないで欲しいと被害者家族に涙ながらに訴えかけて息子自慢を語るのですが、それはまるで滑稽な、自分の息子のことというより、息子に対する願望を吐露しているように見えて…。人生を壊すな?では被害者の子供の人生はどうなのか。
しかし、泣きながらコルネリアが車に戻ると、今度はバルブが車を降りて被害者の父親と対面するのです。どんな会話が為されたのかはわからないが、戻ってくる彼の目には涙が…。母と子、バルブに生じたある「変化」はやはり、わずかばかりの希望を感じさせてくれるものでした。
ルーマニアという国柄がよくわからないのですが、あんな事後処理でいいのだろうかと考えてしまいますね。こういう加害者側からみる映画ってその国独特の意識みたいなものが垣間見えて、目新しいとともに、全体的に重苦しい空気感のある映画だった。