いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ネスト

【概略】
妹をひとりで育てた姉モンセは、精神を疲弊させ部屋から出られなくなっていた。ある日彼女は、階段から転げ落ちた男性カルロスを助け、部屋の中で看病を始めるが…。
スリラー


.5★★★☆☆
そこは迷い込んだら二度と出られない“女の巣”。
アレックス・デ・ラ・イグレシアが製作を手掛けたスペイン映画。
舞台は1950年代のマドリード、アパートの一室でふたりきりで暮らす姉妹がいた。妹は花のように美しく成長するが、姉のモンセは精神が疲弊し自宅に閉じこもる日々。それでも、慎ましくも幸せな生活を送っていた。あの日、一人の男がこの部屋に迷い込むまでは―。
母親は妹を産んだ時に亡くなり、父親は姉妹を残して蒸発。妹を女手ひとつで育てた姉モンセは広場恐怖症となり外に出られない日々…。妹は姉に内緒でこっそり男に会うように。この妹ですが、花のように美しく成長と書かれてあるが、容貌を観た瞬間がっかり感が…。でもモンセばかりをみていたら可憐にみえてくる不思議(笑)。ある日、アパートの上階に住むカルロスが階段から転げ落ち、モンセに助けを求める。彼女は妹に内緒でカルロスを部屋に引き入れ、かいがいしく看病をするが…。

実はこれアパートの一室を舞台に繰り広げられる、姉妹の血まみれの愛憎劇。姉妹の陰湿な嫉妬、狂気的な愛、近親相姦などの題材が織り込まれた結構ヘビーな内容だった。モンセの影のある皺だらけの顔に光る眼だけでも結構怖いのにそこに血しぶきが加わって、ホラー度は加速(笑)。
妄信的クリスチャンでもあり、妹が外で男とイチャイチャしようものなら、カーテンを引きちぎり、血がにじむまで手を鞭打つ。「姉さんのほうが異常よ!」と反撃して外へ逃げ込むも、姉は外へ出られない…というところは、まるで悪魔のように感じますね。

カルロスに一方的な愛を押し付け、医者を呼ばず、悪化するだけの彼の足(かなりヤバイ状況だ)も勝手に処置、あげくに皮膚をシーツに縫いこませたりなんかして。
私も広場恐怖症を患ったことがあるので、モンセの吐いたり不安が増大して耐えられなくなったりとか、よくわかる。だもんで、彼女の事を不気味に思いつつも、なんともその成長境遇があまりにも悲惨で(父親からの性的虐待やらなにやら)ちょっとだけ気の毒にも。でもあの顔だからなー(酷い)。妹を守りたかったと言う真実だけは「愛」だった。
実は妹を守るために父親も殺したのです。だからその幻影に悩まされる。殺した相手をマネキンに使ったり(バレるだろ)、殴ったり、血まみれで踏みつけたり蹴ったりと予測のつかない狂気的な行動が恐ろしいですが、モンセは妹に2度刺されるのです。「父さんが写真を撮ったの。母さんとあなたの写真を。」母は生まれた直後に亡くなったと聞いていたので母への思慕をもっている妹に、この言葉は効いた。写真を探す妹…。
そして最後に衝撃の真実が…。実は!妹の母親は!そう、モンセ…。
妹はカルロスを部屋から出し「君の名前を聞いていなかった」で耳打ちするのですが、この妹の名が最後まで明かされずなのにセンスを感じる作品でした。