いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

4ヶ月、3週と2日

【概略】
1987年のルーマニア。大学生オティリアは、同室のガビツァの違法な中絶手術を手伝うべく、二人で準備をしていた。 恋人から金を借り、ガビツァの代わりに、手術を頼んだモグリの医者を迎えにいくことに。やがて手術の代金がどうしても足りないことがわかったとき、オティリアは親友のためにある決断を下す。
ドラマ


.5★★★☆☆
独裁政権下のルーマニア、中絶手術を「闇」で敢行しようとする二人の女子大生の物語。非常に空気が重くて、ストーリー自体も少なくとも「勇気あるヒロイン」というものではないと思います。
同じ境遇の人間同士で支えあわなければ生きていけない時代、といえば聞こえはいいけれど、ルームメイトのために行動するヒロインに対して自分勝手すぎるルームメイト。全て友達に任せきり、準備不足で自分でなんとかする気がまったくない、そのうえ口にする台詞は「おなかが減ったわ」。ヒロインが自分の体を遣ってまで守る価値のある友達なんだろうか。
…でも立場が変わったら同じことなのかもしれない。
これって女性のための作品なのかもしれない。ルームメイトを妊娠させた男だけではなくヒロインの彼まで、男性側は非常に身勝手に描かれています。「話し合いもできない人にどうやって手伝ってなんていうの」。違法医師のべべが初対面で信頼の話をしますが、ヒロインとルームメイトの関係以上に恋人に対して信頼があったとは到底思えません。でもいざとなったときに拠り所になるのは男よりもやはり同性なのか。「私がなにをした?」なにもしてないからこんな自体になったんでしょうね。
中絶場面は非常に生々しく、大変な自体に陥った後に恋人の母の誕生日に参加するという対比も凄く良かったです。表情に物凄い疎外感とどうでも良さが伝わってきます。堕とした胎児の造形も生々しかった…。「処置」しなければならないヒロインはダストシュートに投げ落とすのだけど、鞄に入れたまま徘徊する彼女の様子も荒い呼吸音とともに良く描かれていたと思います。
物凄く緊張しました。わざと全身を追わないカメラワークも非常に緊迫感に溢れてたと思います。沈黙や背中の画面に物凄く「感情」を感じられます。