いやいやえん

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リトル・ボーイ 小さなボクと戦争

【概略】
第2次大戦下のアメリカ。背が低いことから“リトル・ボーイ”とからかわれていたペッパーは、父親と遊ぶことが数少ない楽しみ。だがある日、徴兵検査に引っ掛かった兄の代わりに父親が戦場へ駆り出されてしまう。
ドラマ


.0★★★★☆
広島に投下された原子爆弾が「LITTLE BOY」と呼ばれていたことを知ったメキシコ出身の監督と脚本家が、父子の愛を軸に少年の視点で戦争と平和を描いた本作。さらに少年と初老の日系人男性との交流を通してアメリカと日本それぞれの戦争下にあった差別主義をも描き出していく。
兄のかわりに徴兵される父親。父親が大好きなペッパーは、早く戦争が終わればいいのにと思いながら、敵国である日系人ハシモトを逆恨みして彼の家に投石するんですが、オリバー司祭はそれを良しとせず、ペッパーに戦地から父親を呼び戻す秘策を授けます。それは聖書に記された6つの項目を守る事と「ハシモトに親切にする」というものでした。
このハシモトが普通に善人だったことに救われたかなー。
戦争が終われば父親は帰ってくる、という事はつまり、日本人からすればそれはイコール原爆投下なわけで、映画内のペッパーの気持ちに共感して見てしまっていると、当たり前のその事に「あっ」と気付いて頭を殴られた気分に陥ることになります。
この「朗報」のシーンは、色々感じ取れるシーンかもしれませんね。当時、広島の惨状がいかなるものだったかは、あまり知られていなかったのではないだろうか。「リトルボーイ」と言う名の原爆が落ちたことで、ただペッパーの念が通じた事すなわち戦争が終わりに傾いた事に喝采しているだけだったのだろう。我々日本人からすれば背筋が凍り心が引き裂かれるような思いですが…。
ただそれでも、父の帰りを信じる少年ペッパーの純粋さと、いじめられながらもそれを支えるハシモトとの交流が心あたたまるものでした。「自分と床との距離をみるな。空との距離をみるんだ」これいい台詞だよね。さらりと言ってたことですがぐっときた。
凄くいい映画でした。最後のほうなんて私涙ぐんじゃって。兄が海辺のベンチに走り寄ってくるシーンもとてもいいシーンです。「帰ってきてなんて念じるんじゃなかった」というペッパーに対してのハシモトの「信じるのは勇気がいることだ」の台詞が効いているんですよね。

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