いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち

【概略】
敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、ナチ親衛隊の将校、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にTV中継するという計画を実現しようとしていた。
ドラマ


.5★★★☆☆
アウシュヴィッツの真実を伝えるために。
ヒトラーの独裁政権下のナチスドイツによるホロコーストの指揮を任されていた男、アドルフ・アイヒマン。本作は彼の世紀の裁判を世界中に伝えたテレビマンの姿を実話をもとに描いた伝記ドラマ。
「モンスターなどいない。だが、人間は、自分が行った怪物的な行為に対して責任をとる必要がある」
あれだけのことをしておいて「命令に従っただけ」と無表情で無罪を主張するアイヒマンを、当時の人は悪魔にしか思えなかったでしょうね。112人もの証人が「ホロコースト体験」を生々しく語っても、その表情には何の変化もなく、この世のものとは思えないようなあまりにも惨たらしい目を覆いたくなる本物のホロコースト映像が証拠として流されても表情を一切変えないのですから。
一見普通の「命令に従っただけ」の男が、何百万人もの人間を平気で強制収用所に送り込める、それこそが人間の恐ろしさなのではないか。どこにでもいる「あやつり人間」がアイヒマンの正体だとしたら、それは誰にでもひそむ人間の危うさだろう。そう、誰もがアイヒマンになり得たのだ。
また同じユダヤ人の間でも、収容所を生き抜いた人たちが収容所での事を話しても、嘘でしょ作り話でしょと言われてしまう事があったらしく、それが、15年の時を経てはいますが、裁判をテレビで放映することによって真実が明らかになり、人々の間で事実が真実として捉えられるようになったことが伝わってきました。
テレビカメラに終始映し出されていたアイヒマンの表情は、まるで「なぜ命令に従っただけの自分がこのような裁判を受けなければならないのか」と感じていたように思える。今となっては誰にも分からないですが、あの裁判の瞬間、何を感じて何を考えていたのでしょうか…。

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