いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

青い棘

【概略】
ベルリンにある寄宿学校に通うパウルとギュンターは、対照的な家庭環境で育ってはいるが、ある秘密の誓いを立てた親友同士だった。
ドラマ


.0★★★☆☆
ドイツの名門ギムナジウムに通う、労働階級だが優秀なため入学を許されているパウルと名家の子息ギュンター、ギュンターの美しく奔放な妹ヒルデガルドやその恋人ハンス、ヒルデの友人エリら5人の数日間を描いています。
1927年のベルリンで実際に起きた事件(妹の恋人で、自分の元恋人(同性)でもある男性を殺害して自殺した「シュテークリッツ校の悲劇」という実話)を基にした映画のようです。私は勿論ダニエル・ブリュールさん目当て。
同性愛と異性愛が交差し、思春期の脆い純粋性が破滅的です。同性愛の事件が主なのですがそこがメインではなく、若さゆえの傲慢さと危うさ、そして美しさを描きたかったのかなーと思います。
事件後のお話ははぶかれており、事件前から事件における深い心の機微が描かれています。残念に想うのは、ギュンターがそこまで想うハンスが魅力的に描かれていない事だ。
真の幸せが訪れるのは、おそらく一生に一度だけだ。そのあとは、幸福の瞬間を一生忘れられない罰が待っている。その時が来たら、人生に別れを告げるんだ…一番美しいときに。なんて詩的で傲慢で美しい台詞だろう。
上流階級の中に加わった少数の優秀な労働者階級の青年たち、ドイツの美しい風景と知的な言語雰囲気に酔ってしまう。
青春の棘の痛みを知る諸々の者は、一生忘れられないほどの「幸福の絶頂」を享受できるのならば、ある意味こぞって死にゆくのではないか。感性豊かな思春期の青年たちの葛藤や恋は、一生の深い心の容になるのではないか。
ラストで「後悔はしていない」というギュンターの台詞がある。しかしエンドロールの、街道でパウルとギュンターが自転車に乗って戯れているシーン。明るく晴れた青春の一日、無邪気な二人が無垢な少年のように見える。わたしたちも彼らも、青春の煌きに目が眩んでしまったのか。

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