いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

アンチクライスト

【概略】
ある一組の夫婦。彼らが性行為を行っている最中、幼い息子がいつの間にかベビーベッドを抜け出し、窓から転落死してしまう。悲嘆に暮れる妻に、エデンの森と言う場所がトラウマとなっていることを察知したセラピストの夫は、彼女を連れて森の別荘を訪れるが…。
サスペンス


.0★★★☆☆
監督さんはうつ病の自己治療的な意味もこめてこの作品を製作したらしい…。もっと鬱にならないか?これ…
美しいモノローグの中、激しい性行為の最中子供が転落死した夫婦。妻は精神的に追い込まれており、セラピストである夫は彼らがエデンと呼ぶ森の小屋へと妻を連れてくる。
やたら落ちてくるどんぐりや混沌とした森、しゃべる狐や胎児を半分出したままの鹿など、なにかを暗示しているかのような描写とともに、妻の狂気はドンドン加速する。
やがて夫は、妻がこの小屋で悪魔崇拝や魔女の研究をしていた事を知り、一方妻は、息子に反対の靴を履かせてたり、夜中に徘徊することを知ってたが、何かに取り憑かれたかのように性への欲望を増していく。
女性の悪魔性についての話があったりと宗教色の濃い作品ですが、なかなか意図が掴めない。エデンという名前から連想されるのはアダムとイブ、禁断の実とはそれこそ「肉欲と罪」の事なのかなぁ。映像はきれいですが、中身は難しいと思います。
妻の錯乱はさらに悪化し、ついには夫をも手にかける。
「三人の乞食が現れたら誰か死ぬ」この三人の乞食とは、幼稚園時のクリスマス会でさんざこのシーンをやりました「乳香、没薬、黄金」をそれぞれ贈り物としてイエスにささげた3人です。作品の中のこれは暗喩として動物の姿をしており、それぞれ狐と鹿とカラスでしょうね。これが意味するところはそれぞれチャプターである「悲嘆」「苦痛」「絶望」でしょう。でも、だからどうだというところがわからない。自慰シーンでの木の間から出ている無数の手(ジャケットにもなってますね)の意味もわからない。
そして非常に痛々しいシーンが出てきます。男性でも女性でも痛いと思います。ここは、修正してても目を背けたくなりました。ゾワワーとしちゃいましたね。そして妻は、息子が落ちていくところを見ていたんですね。自分を罰したい気持ちが肉欲と直結するアレへと攻撃性が向かったのか…
主演のシャルロット・ゲンズブールさんは、コロコロと感情の変わる狂気に冒された妻役を見事に演じきり、カンヌ映画祭主演女優賞をゲットしたそうですが、それも納得の演技です。デフォーは相変わらずデフォーなのですが(意味わからん)なかなかいい感じのデフォーです。
ただラストが分からなかったな。デフォーを囲む人々の群れは何を象徴しているのでしょうか。
これは聖書を読んで、何度か鑑賞して、ようやくその意図が汲める作品なのかもしれないです。7つの大罪の中に色欲がありますが、一方で聖書では繁栄を推奨している。矛盾しているこの中にこそ、この作品で本当に伝えたかった何かがあるのかもしれないですね。

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