いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

大鹿村騒動記

【概略】
村歌舞伎の伝統が守られている大鹿村。シカ料理店の主人・風祭善は長年主役を張ってきたが、私生活では妻に逃げられ18年間ひとり暮らしの日々。そんな村に公演が5日後と迫ったある日、妻が駆け落ち相手と村に戻り…。
ドラマ


.0★★★☆☆
原田芳雄さんの遺作となった群像劇です。近くのゲオにはなかったものだからようやく見れました。
長野県大鹿村、ここでは300年余の間、町の伝統芸能として歌舞伎が伝承されてきた。その主役をはるのが、主人公の風祭善。公演間近に駆け落ちしていた妻が十数年ぶりに男と共に村に舞い戻ってくるところから話は始まる。
この元女房が認知症を患っている事から、面倒を見きれなくなって…というところには、私個人の家庭の事情もあり共感をおぼえるところもあった。
騒動記とついているように、様々なドタバタが起こる話ですが、少しユーモラスでそして少し物悲しいところのある作品でした。
この町が抱えるリニアモーターカーの誘致問題とか、都会からきた性同一障害の青年とかのエピソードもありますが、大筋にはあまり絡んできません。大人たちが抱える悲喜こもごもを上手く演出されていたように思います。
善に起こった出来事と歌舞伎の内容が重なるところはなかなか粋な演出です。役では、憎き源氏の栄華を見ないで済むようにと、己の目の玉を抉り取り叫ぶセリフが「仇も恨みも是まで是まで」。しかし、善は目の玉を抉り取るどころか、両方の目であたたかく人生を見つめるのだ。
作中では原田さんはまだ壮健であられ、亡くなる直前の姿とは重ならない。人生何が起こるかわからない。だからこそ面白いのかもしれないが。

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