いやいやえん

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オンディーヌ 海辺の恋人

【概略】
アイルランドの漁師・シラキュースは、ある日網に掛かっていた美しい女性を助けるのだが…。
ロマンス


.5★★☆☆☆
モット・フーケの「ウンディーネ」。騎士フルトプラントと水の精ウンディーネのあまりにも有名な美しい悲恋物語。「あの人を、涙で殺しました………」
アーサー・ラッカム氏の綺麗なイラストと相成って本当に美しい悲恋物語となっている本の一冊ですが、この話(ウンディーネ=オンディーヌ)をネタにもってきているものの、幻想的な部分は感じられないと言う作りなのが残念と言うか違和感を覚える。
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騎士フルトブラントは森のあばら屋に一夜の宿をとるが、その家には養い子として運命の娘ウンディーネがいた。惹かれあう二人は結ばれ、フルトブラントの城へ戻る。悲しい別れが待っているとは知らずに。
美しい物語です。愛する人を愛するがゆえに殺さねばならなかったウンディーネ、その愛がとても美しい。
人間と違うのは「魂」がないこと。アダムの末裔(人間の男)と愛し合い妻となって初めてその命は 魂を得る。
掟のため愛する人の命を自ら奪わねばならなかった娘、そして、無限抱擁を受け入れた男。
「魂は、重すぎる荷物、とても重いのですわ、きっと。
だって、そのかたちが一歩私に近づくだけで、私には見えるのです。
心配が、悲しみが、それらの影が……。
いつもの私は軽々と楽しいのに、魂を予感するだけで、私は不幸になるのです」
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ニール・ジョーダン監督、コリン・ファレル主演。
漁師をしながら暮らしているシラキュースはをある日、引き上げた網の中に美しい女性が入っているのを発見する。オンディーヌと名乗った彼女は誰にも自分の存在を知らせないよう願い、オンディーヌを人魚だと信じる娘と3人で暮らしはじめ、互いに惹かれ合う二人。果たして彼女は人魚なのか、それとも…?徐々に明かされていく真実の裏には悲劇的な事件が待ち受けているのだった。
こう、概略では「人魚なのか?」と幻想的に仄めかしているものの、実際に映る彼女はあまりにも現実世界すぎる。もう少しファンタジックに持っていくか、アザラシの精「セルキー」(アイルランドやスコットランドにはセルキーと呼ばれる妖精が伝承として伝わる。海ではアザラシの皮をまとっていて、陸地に上がるときには人間の姿になる。)だと信じている娘の視点で描いても良かったんじゃないかと思う。最初から最後まで、これなら人魚かなんて誰も思わないぞ。
そしてオンディーヌの正体、たしかにこれは知りたくなかった…。人間的秘密があるとは思っていたけど、麻薬運び人ってリアルに生々しすぎるんよね。なぜかサスペンス風になって売人を水死させてしまうし。
希望を感じながら、それを失ってしまうかもしれないという恐れを常に主人公が忘れていないというのは重要で、ただオンディーヌの着替えのシーンなど人間的な臭いのするシーンが多く多用されており、やっぱり人間かセルキーかという二択にはならない。伝承世界は引き合いに出す必要はなかった。

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