いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

群盗

【概略】
悪徳官僚や富豪貴族が世の中を支配し、貧しい民ばかりが搾取と弾圧に苦しめられていた朝鮮王朝末期の1862年。極貧にあえぎながら生きてきた“と畜人”トルムチは、剣豪の武官ユンから「特別な仕事」を頼まれたことで、生涯忘れることのできない悲劇に見舞われてしまう。しかし、暴政の転覆をもくろむ盗賊団チュソルに助けられたトルムチは、新たな名前へと生まれ変わり、ユンへの復讐のため驚くべき変貌を遂げていく。
アクション


.0★★★★☆
なにこれ超カッコイイ!なにって、カン・ドンウォンですよ!
マカロニウエスタンに似た演出、義賊VS悪、賊たちの絆。歴史エンタメ活劇なんですが、銃をまわすような武器の取り扱いとか、そういうのをいちいち魅せてくるし、なにより刀を縦横無尽に振り回したカン・ドンウォン無双がカッコいい。赤ん坊を抱えたハンデがなければラストで絶対負けてないやい。
そんなカン・ドンウォンは、映画「超能力者」ですげーイイ!と思った役者さんですが、悪役です。

↑悪そうでしょ。
この手の映画では、悪役が憎たらしいほど、ラストの主人公側の逆襲で溜飲が下がるわけですけど、カン・ドンウォンが演じた富豪の息子ユンは、「役人に年貢の取り立てを強行させ→困った民に粗悪な米を利子付きで貸し→返す時は純粋な米を要求して→返せない民から担保にしていた土地を取り上げ→土地をなくした民を奴隷に」というアンタ鬼ですかというような計画をきれいに実行して、あっという間に街は地獄のような有様に。
しかも、頭が切れるうえに武力も凄まじいからタチが悪い。まさに修羅のごとくとはこの事でしょう。劇中で、罠にかかってたくさんの盗賊に囲まれるのですが、ほとんど軽く皆殺し…というね。

主人公の「二刀流」トチの18歳というどうみてもそう見えない年齢設定にはびっくりしましたけども、義賊集団「智異山チュソル」がまた燃える。
義賊になるための三大要件「 目に濁りがなく屈強であること」「勇敢で度胸があること」「人より秀でた『何か』を持っていること」をクリアしたトルムチは、竹林での修行を経て、「二刀流」のトチに変わるのです。戦闘用カスタム包丁を両手に携え、倒した敵のマゲを切る盗賊として活躍するのです(当時の官吏にとって、マゲを切られるのは屈辱らしい)。

義賊集団「智異山チュソル」のメンバーは、22歳という設定がおかしい「怪力」チョンボ、スピード命「瞬殺者」クムサン、紅一点「弓撃手」マヒャン、頭脳派「戦略士」テギ、副官的存在の万能人「坊主」テンチュに、文武に優れたリーダー「頭領」デホと、まるで水滸伝のようなキャラクターたち。
ユンは坊主を捕まえて、目の前で民を殺すことでアジトのありかを吐かせる鬼畜ぶり。アジトと平穏に暮らしていた女子供たちが襲撃されるのです。こうして義賊たちの「ユン討伐計画」が失敗し「智異山チュソル」は壊滅状態に。こうして弟の息子(赤子)を手に入れたユンは、ちらっと赤子のおちんちんを確かめてみたりして(笑)ここちょっと笑った。前にお前の顔の2倍でかいとトチに言われてたのさ。

ユン側の裏事情も描かれるから、なんか同情しちゃったりして微妙な気分にも。彼は妾腹の子であり、目の前で母親を殺されたりと、父親の残酷な仕打ちを受け続けて、すべての事は「父親に認められたいから」だったんですよね。終盤、弟の子を抱えながら自分をケダモノ以下と罵る父親を殺す場面とかも入れて、完全に「悪」というわけではないところも出したりなんかして。「父上にとって私はなんなのです」ただ認められたかったんだろうね。

アジトを留守にしていたトチとテギは難を逃れたものの、捕まったマヒャンや子供たちは街で公開処刑されることになって、そこになんとトチがガトリングガン(なぜ?)を乱射!!ここでさすがに民衆の怒りがとうとう爆発。「俺たちだって」と皆で蜂起します。「寄れば民、散れば盗賊だ」と役人どもに立ち向かうのです。虐げられる描写が悲惨だっただけに、その反動が。

ラストで竹林におびきだされたユンは、長剣があだに、また抱えていた赤子をかばって斬られ、トチに敗北するのです。ただ、トチも復讐を越えた思いがあったため、亡くなったユンのマゲを切らずに去ります。それは泣き騒ぐ赤子のためでもあったろう。虐げられていた民たちが新たに遺志を継ぐ盗賊となり、群盗たちが荒野を馬で駆って映画は終わります。
燃えた!西部劇系の曲と歴史活劇アクションが合うとは思ってなかったわー。そしてカン・ドンウォン、やっぱり目力のある俳優さんだなー。ハ・ジョンウもかっこよかったよね。