いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

最愛

【概略】
貧困にあえぐ農民たちが現金収入につられて行なった「売血」で、斡旋業者が注射器を使い回したため、人々にエイズウイルスが蔓延。感染した得意は廃校で隔離生活を強いられ、妻に見放された寂しさを募らせていく。そんな折、夫に家を追い出された新たな感染者の琴琴がやって来る。同じ境遇の二人は絶望の淵で秘かに愛を育もうとするのだが…。
ロマンス


.0★★★☆☆
チャン・ツィイー、アーロン・クォック共演。
1990年代半ば、中国の貧しい農村で多くの村人がエイズで命を落としたという衝撃の実話をもとに、絶望の淵に立たされた男女に焦点をあてた恋愛ドラマ。
「売血ビジネス」での注射器の使い回しにより、HIVにかかり互いにパートナーに見放された男女が惹かれ愛し合う様を描いた作品でもありますが、生の淵に立たされた男女の感情を抉り出していくという心情ドラマでもありました。
風評被害を恐れた政府は感染者の存在を隠そうとしたため、患者は孤立無援の状態に置かれることに。村人の多くが感染した“エイズ村”は二百以上もあったそうな。舞台はそんなエイズ村のひとつ。
ダーイーも兄の仲介は受けなかったが近隣の村で売血をしHIVにかかってしまっている。父親は忌み嫌われる患者たちのため、廃校を共同体場所として使うよう提供。
無知が原因の露骨な忌避感に、観ている自分の内心にある差別意識を否応無く実感させられるし、死を突きつけられたからこそ素の自分がでてしまうというのか、人々が卑しく疚しいその描写が秀逸。炊事係の女性が率先して米を独り占めにしようとするくらいで、隔離共同体に諍いは絶えない。そんな中美しい若妻チンチンが隔離されてくる。ダーイーはすぐに彼女に惹かれるのだが…。
チャン・ツィイーが高熱を出したダーイーの体を冷まそうと冷水に身を浸し寄り添うシーンが話題になっていたようです。諍いの絶えない共同体の中での献身的で純粋な愛情。ただロマンティックな作品ではなかったです。
死を前に愛し合う彼らが最終的に出した答えは「結婚」。同じ墓に入りたい。彼らにとっては、魂が結合するという意味での行動だったのかもしれませんね。