いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

最後の忠臣蔵

【概略】
赤穂浪士として名誉の死を果たせなかったふたりの男が、忠義を貫き私心を捨て、自らに課された使命を全うするべく生き抜いた過酷な人生を紐解く。
時代劇


.0★★★☆☆
いつだったかNHKでやっていたドラマ版のほうが、わかりやすく出来がいいとは思う。でも、この作品も対極をなす作品としての出来栄えは、なかなか。
役所広司さん、佐藤浩市さんがそれぞれ、赤穂浪士の中で生き残った瀬尾孫左衛門と寺坂吉右衛門を演じています。どちらも討ち入り後の使命を与えられたが、互いに知ることはなく生き残った。それから16年がたち、再会する。通常の「忠臣蔵」とは別視点で紐解く赤穂浪士、一体あの日なにがあったのか…。

使命、忠義、慈愛、愛。苛烈なまでの武士の忠義として、はっきりと明確な信念を持って育てた娘・可音。彼女の嫁入りという日本風情を感じられる設定もよかったのですが、間の取りかたが非常に上手い演出でした。
ただ、大石内蔵助による密命の動機が、主君筋ではなく、極めて個人的な性質を持ったものであることから悲哀が生まれてきます。本当は皆と一緒に行動を共にして自刃したかったのであろう孫左衛門に、自分の隠し子を頼んだのですから。主君の命を尊重する時代であったがために、自身の望みとは別の行動をとることになってしまった孫左衛門が選んだ最期は、最初から決めていたことだったのでしょうね。
しかし花嫁行列に集まる赤穂の武士たちは、ちょっとやりすぎな演出だったかもね。可音の恋に困惑する孫左衛門の葛藤、及びラストの幼い可音との生活を思い出すところの表情は良かったと思う。可音役の桜庭ななみさんは、あどけない顔立ちながら凛とした佇まいが武家の娘を思わせるようで凄くよかったです。