いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

サイの季節

【概略】
ある男の企みによって不当に逮捕された詩人・サヘル。30年後、釈放された彼は、最愛の妻・ミナの行方を捜し始めるが…。
ドラマ


.0★★★☆☆
1979年、イラン・イスラム革命時、詩人サヘルはある男の企みによって「神を冒涜する詩を書いた罪」で不当に逮捕される。30年後、釈放された彼は、生き別れとなった最愛の妻ミナの行方を捜し始める。しかし、政府の嘘によってサヘルはすでに死んだことにされていた。
一方、夫が死んだと聞かされて、30年間悲しみの中で暮らしていたミナのまわりにはある男の影がつきまとう。その男の名はアクバル。彼こそがサヘルの死を偽り、夫婦の間を引き裂いた張本人だった…。
って書くと、ドロドロ30年来の三角関係にみえますが、実際そうなんですよねー。確かに、単純に愛する人と会えない苦しみを描いたドラマでもあると思うし、それだけじゃない政治的・宗教的な問題にも見える。
30年間、投獄されていた詩人のサヘル。詩人サデッグ・キャマンガールの実際の体験を基にした映画なのですが、馬のまぶたや、降る亀、そしてサイが登場する彼の詩は、ドラマを牽引するように挿入され、暗喩に満ちた哀しみが強く伝わってくる。この詩に導かれ心象風景が映し出される。

イランやトルコを舞台にした大人向けの政治色の強い芸術路線の人間ドラマで、詳しいわかりやすい説明は一切なし。革命の混乱のさなかに牢獄にぶち込まれた詩人サヘルとその妻の愛の物語とも言えます。詩人があまりにも寡黙なため一体何を考えてるんだか分からないのも味わい深いです。彼の心境を想像していくのがこの映画の醍醐味なのかもしれませんね。

30年と言う月日の重み、想いが、詩に託されているかのようですね。あと、愛する人の詩をタトゥーにする商売をしているミナのもとへたどり着いてタトゥーを彫ってもらうときに何も言わないのが、なんともこの二人の人生の重みみたいなのを感じてしまいました。