いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~

【概略】
死と絶望に満ちたイランのとある町に、黒衣をまとった美しい少女が現れる。悪人たちを静かに襲う彼女の正体は、残忍な牙を持つバンパイアで…。
ホラー


.0★★★☆☆
ジャンキー、ポン引き、娼婦…、そこは死と絶望に満ちている。暗闇が覆い尽くす夜、町に現れる黒いチャドルを纏った美しい少女。静かにそして冷たく、町にはびこる悪人たちを襲うその正体は、残忍で美しい牙を持つヴァンパイア。ある夜、少女は孤独な青年アラシュと出会い、ふたりは急速に魅かれあっていく。それはまるで血塗られた壮絶な世界へとふたりを導くように…。
映像がモノクロでそれが効果的で雰囲気は良い。石油採掘で栄えながらいつしか犯罪都市となった舞台の町が微妙に西部劇風(メニュー画面なんてまんま西部劇っぽい音楽流れるよ)。イランなんだけど、西部劇ってなんか変な感じ。そしてTシャツの上に黒いチャドルをまとった謎の少女、彼女が主人公でヴァンパイアなのだ(少女って年には見えませんが)。
ポン引きや麻薬中毒者を襲っては殺す残酷さを持った少女。けれど仮装パーティーの夜、ドラキュラの格好をした青年アラシュと出会い、彼にすぐに惹かれてゆく。彼も謎めいた彼女が忘れられなくなり、発電所でのデートに誘う。だがその頃、少女は娼婦にまとわりつく麻薬中毒の男を殺そうとしていた。それがアラシュの父と知ることもなく…。
また猫が重要な演出にもなっていた。「猫運び」遊び映画でもあるの。ちょっと太めな猫が、アラシュ→ポン引き→父親→少女の手に渡っていき、物語を紡いでいく。無造作に腕に抱えたり、肩にしょって歩いていく光景だけでも、猫が映画で重要に小道具になっているのがわかる。特に終盤猫が現われて、アラシュが初めて少女に対し疑いを持つシーンは印象的。
夜の闇を独りさまよう少女。その静かな佇まいと、アラシュとの間に溢れる感情の差が、切ない感情を際立たせる。