いやいやえん@引っ越しました!

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THE KING 序章~アユタヤの若き英雄~

【概略】
16世紀のシャム。ピッサヌローク国のナレスワン王子は、ホンサワディー国の捕虜となりながらも民族の誇りを捨てずにたくましく成長していく。
史劇


.0★★★★☆
「キング・ナレスワン」三部作の第一章です。167分あります。映画も記事も長いですよ!
タイ文化ってよくわからないところのほうが多いですが、ムエタイはこのナレスワン王が兵士の訓練のために考案したものといわれています。武芸にも知略にも優れ、数々の武勇伝が残っている英雄王です。滅亡した祖国を再興し文武に優れ人望もあったというエピソードからするとカリスマ性もあった方だったようですね。

16世紀半ばのインドシナ半島周辺は、まさに群雄割拠の時代…ちなみにこの当時日本も戦国時代ですよ…そんな中周囲を制圧して強大になったホンサワディー(ビルマ)国に侵略されたピッサヌローク国の王子オンダム(ナレスワン王の幼名)は、人質となります。
名前や固有名詞はややこしいのですが、ストーリーは明快です。人質となった少年オンダムが、敵国の下で誇り高く成長し、戦術なども学び統治者としての品格を身に着けていく、というもの。闘鶏シーンでの「戦わなければ自由になれない」という台詞や、アユタヤ王家の秘法の武器の存在など、ヒーロー要素もあるので、容易に将来この少年が見事に逞しく成長し件の武器を扱うことを予想できます。
正義感が強くまっすぐで利口な少年のオンダムは、次第に同じように捕囚されているシャム人の信頼を得ていくんですね。

敵国であるホンサワディーのブレーンノーン王は怜悧ないわゆる敵ボスではあるものの、悪い面だけではなくちゃんと王の資質も兼ね備えた男。物の道理を説き、オンダムにも「力だけでは戦には勝てない」などと説く立派な一人の王、典型的ながらもブレーンノーン王の孫である意地悪なマンサムキアットとの確執なんかも、のちの展開への伏線(戦い)とドラマ性を両方持たせる良い演出でしたね。ブレーンノーン王はオンダムの王としての素質を早々から見抜き好意的に思っていたようです。このブレーンノーン王が一番深く描かれていたキャラクターだったと思います。

闘鶏エピソードでの「シャム人が何者にも屈しないことをお前が証明するのだ」→「国を賭けても闘える」が好きだったな。ヨーディア寺院の和尚との師弟関係も素晴らしかったですね、オンダムの一番の理解者です。スリの少年で従者となったブンティン、おしゃまな少女マニーチャンとの友情も描かれていました。
ホンサワディの策略により、アユタヤとピッサヌロークの関係は悪化、ホンサワディは孤立無援のアユタヤを何度も攻めるんですね。そんな中、オンダムの祖父でもあるアユタヤ王チャクラバットが崩御し、後を継いだマヒン王子の奮闘もあってアユタヤは勝利するのだけど、参謀の裏切りによりアユタヤはついに陥落してしまう。そして、結果としてオンダムの父王がアユタヤの統治権を得ることに…(うわぁ確執凄いことになってるよ)。自分が裏切らせたとはいえ、主君を裏切るものは許せないってことで当然件の参謀は死刑です。

一方美しく成長したオンダムの姉を気に入ったブレーンノーン王は彼女を自分の下へ呼び寄せる。僧院で師匠に見守られながら正しく成長していたオンダムは、病のマヒン王を見舞い「どちらの王家ではない、シャム人が統治する事が重要だ」と訴え両家の確執を越え認められます。
マニーチャンは、オンダムの姉に仕える事になりますが、実はマニーチャンはブレーンノーン王の隠し子。のちの成長してからの運命への伏線かな、彼女とオンダムを娶わせて自分の後を継がせようと考えるようになるブレーンノーン王に反発するホンサワディー側は、オンダムを暗殺しようとし、いまやオンダムの味方は敵であるブレーンノーン王だけ。
姉と共に逃亡しようと(ちょっと浅はかだけどね^;)計画を練っていたオンダムは、すでに察知していた王の機転により、オンダムはブレーンノーン王の庇護の下、アユタヤへとついに帰還する…。
う~ん、これは面白い。タイのホラー映画が出来がいいのは知っていましたが、歴史ものもいけますね、思っていたよりもスケール感が大きいです。収益が全て王室へいくというのはビックリだけど(王室に関係する映画は王室出身者にしか作れないらしい…監督さんは王室出身)つまりは国家製作みたいなものなわけで、セットは豪華だわ兵士役は現役軍人さんたちらしいわ…。ちなみに成長したナレスワン役も軍人さんらしいですよ!
西洋文圏ではないぶん目新しく独特の雰囲気もあります…オンダム役の少年はきりっとしていていいですね。