いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

サラの鍵

【概略】
パリで暮らすアメリカ人女性記者・ジュリアは45歳で待望の妊娠を果たすが、夫から受けたのは思いも寄らぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。
ドラマ


.0★★★★☆
フランスでユダヤ人が迫害されていたという事実。そういう事実があったことは知ってはいましたが、詳しくは知らなかった自分が恥ずかしいですね。とてもよく出来ている作品でした。
現代、ジャーナリストのジュリアは、夫が祖父母から譲り受けたアパートに、かつてユダヤ人家族が住んでいたことを知る。過去、ユダヤ人一斉検挙の朝、少女サラは弟を納戸に隠して鍵をかける。
「サラの鍵」とは、ユダヤ人の一斉検挙が行われた際、サラが弟をとっさにかくまった納戸の鍵のこと。すぐに帰れると思っていたサラが何気なく取ったこの行動が悲劇を生みます。
賢くて凛としたサラ役の少女の演技に心をぐっとつかまれるようでした。屋外競技場から臨時収容所、麦畑、沼。老夫妻と出会ったことは幸運でした。サラが納戸の前で叫び声をあげた時、心が軋み一緒に叫びたくなった。頭ではわかっていたことだけれども激しく胸を衝かれてしまった。じわぁと涙がでてきてしまいました。
ジュリアは高齢妊娠し、夫からは理不尽にも堕ろせといわれている。これがラストでいきていましたね。
真実を知るには代償が要る。一時は真実を知ることを拒絶したサラの息子ウィリアム。過去の出来事を知りたくないことだってある。しかし母の真実をわかってもらおうとする父(サラの元夫)とのシーン、ラストのジュリアとのシーンは凄くよかった。ジュリアの幼い娘の名はサラなのだ。
サラの心の闇は深く、おそらくあの納戸の前で声を荒げたときから、彼女の中でくすぶっていた思いなのでしょう。
劇中にもありましたが、屋外競技場跡地が内務省になっている、これほど皮肉的なことはないでしょうね。
「黄色い星の子供たち」も、同じ事件を題材にしているわけですけれども、続けざまに映像作品になっているということは、フランスが過去のこの出来事に対し誠実に向き合おうとしているという事なのかもしれないですね。