いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

散歩する惑星

【概略】
静かに穏やかに暮らしたいだけなんだ。この惑星の住人たちもそう思って生きている人たち。みんなそう願って生きているはず。
コメディ


.5★★★☆☆
ストーリーだけみるとなんか救いようの無い話です。シュールな笑いってのが一番あってるのかも。消毒されたかのような無機質空間で起こる人生寸劇。
突き放したような見方で「なんじゃこりゃ」と思うような、オチのない凍りつくような笑いの部分が続きます。
ある意味でとてつもない救いようのない地獄なんですが、みていると意外とセンスを感じられる部分もちらほらみえて、アナログな作りも含めて完成度は素晴らしく高いと思いますが、観客の視点になっていないから、映画の高次元まで昇っていけない不満というか欲求が残る。
「愛おしき隣人」が「また明日があるさ!」というメッセージの前向き人生映画でしたら、本作はその反対をいく「お先真っ暗」な後ろ向き人生映画。とある惑星の、とある街で次々と起こる不条理な仕打ちや出来事。穏やかに暮らしたい気持ちと裏腹に、思うようにならない人生を嘆き、しがみつき、諦め、立ち往生している人たちのための映画。
「や(ヤマなし)お(オチなし)い(意味なし)」映画の姿をとりながら、意味不明の出来事が、続けざまに、ワンシーンワンカットのほぼ動かないカメラで見る側を「傍観者」の感覚にさせるのです。なんとなくみているうちに、その傍観者の立場から、気づくと映画の中の登場人物の一人になって、人生を悲観したり、永遠に終わらない渋滞のようなフラストレーションがたまったりする。逃れられない人生の落日。そう誰もが経験したことのある絶望感、倦怠感、そんなようなもの。
不思議と味わい深い何かがあるアート系映画です。私は結構好きだけどね。