いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

司祭

【概略】
リヴァプールの教会に新任したグレッグは、神父として祭壇に立つ一方、夜はゲイバーへ通い、そこで知り合ったグラハムと関係を持つようになった。ある日、父親から近親相姦を受けているという少女リサが告解に訪れる。事実を知ったグレッグだが、守秘義務という現実が立ちはだかった。
ドラマ


.0★★★☆☆
信仰に厚く理想に燃えているが、もう一方で司祭として祭壇に立ちながら同性愛者として苦しむグレッグ。同性愛は戒律に明記されているためそれは大罪。
やがて、父親から性的暴力を受けていると告解する少女と出会う。ここが問題。告解の内容は他言できないし、しかも父親からはそれは自然な行為だともいわれてしまう…。
この作品って宗教の欺瞞に対する反論なのかな。愛や罪や理想など、宗教の教義に縛られた保守的な世界は美しいものの、ものの本質はそれだけではないでしょう。グレッグはただ人を愛しただけ。愛を説くならば全ての愛を受け入れることも必要では。
また、カトリックの崇高な理想と、中年の司祭マシューとメイドとの関係や、少女を救えずその秘密が母親にばれ責められた事など次第に現実とのギャップに無力感に苛まれてゆくグレッグの姿が印象深い。でも、その司祭がのちにグレッグの支えになるところはなかなか興味深い描写です。
ラストがまた素晴らしい。「どうか私にゆるしを」聖体拝領の時、誰もグレッグの列に並ばない中、ただ1人例の少女だけが拝領を受け、互いに涙を流しながら最後に抱き合う。まるで苦しみを背負った2人が互いを癒すように。
主人公の若い神父グレッグ役のライナス・ローチさんは、実に清々しい清潔さをもっており、この役にあっていました。愛人のグラハムにはロバート・カーライルさん。司祭マシューにトム・ウィルキンソンさん、堕落(最初にグレッグにはそう見える)から救い手にもなるいい役どころでしたね。