いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

蠢動-しゅんどう-

【概略】
大飢饉より3年後の享保20年、山陰・因幡藩。幕府から遣わされた剣術指南役・松宮十三の不審な動きを知った城代家老・荒木源義。荒木は用人の舟瀬太悟に松宮の動向を探るよう命じる。
時代劇


.5★★★☆☆
うわっ字幕がついてない!!これ重要よ?
「本格時代劇」とは何を指すのかわからなかったけれど、少なくともアイドルが出演したり時代劇所作の出来ない俳優が出ている作品ではないだろうと推測。これが正解、封建時代の武士の世界と生き様を描く、一応まるで時代小説を読んでいるかのような骨太で重厚な作品だったのであった。

色彩をググッと落として、音楽も和太鼓(一時)だけ。台詞が極端に少ないのも、重々しさを出すためなのかなと思った。
そして、ラストの雪の中での立ち回り、雪の白に鮮やかな赤が飛ぶのかと思いきや…ここも「頚動脈を切らなければそんなにビュッと飛ばない」を理由に新雪をくずさないため一発勝負で、血飛沫を断念したんだそうです。ラストの殺陣は時代劇のお決まりみたいなものですが、そこは少し残念ではあった(白に赤が飛ぶのを観たかったという意味)。
武家社会の理不尽さは良く出ていたと思いますねえ。そういう意味では物凄く好感がわく作品なのです。

山陰の因幡藩は飢饉からなんとか一息ついたところであった。ところがそんな折、幕府から派遣された剣術指南役の松宮が怪しげな調査を繰り返しているとの報が城代家老のもとに入った。隠し田の存在などを幕府に知られれば、藩存続の危機。いまや藩は追い詰められ、非情な選択を迫られつつあった。
中心人物はこの四人。
・藩と民を守るため、1人の若手藩士に濡れ衣を着せて抹殺する計画を決断する城代家老・荒木。
・その計画を実行する、藩の剣術指南役・原田。
・実直さが災いとなって、陰謀に利用される若手藩士・香川。
・原田に暗殺される公儀の剣術指南役・松宮。
まあ気になるのは、いかに藩存続の危機とはいえ、あんなバレバレの謀殺をわざわざ命じるだろうか?ってことだけど…(笑)ホラ、後半、公儀の使者にバレバレだったところなんて、よくよく考えなくても「そりゃそうだわな」と言う感じ。ここがストンと収まるところに収まっていればよかったんだけど、なんか偶然上手くいった(香川の頑張り?)みたいな感じが否めないのが難点。

しかし、濡れ衣を着せられた香川が獣のような強さを見せて、追っ手12人が死亡という雪上多人数戦闘がなかなか良く出来ていてね、「騙されたのかー!」と叫びながら香川が走るとそこに和太鼓BGMが流れて、動きづらいわ、疲れるわ、リアル戦闘を予期した鍛錬をしてこなかったわとかで、香川に追っ手がみるみる切られて行くシーンがグダグダでなかなかリアルに見えるのよね。「これが武士道かァッ!!!!」って、原田と香川の一騎討ちシーンですぐに勝負が決まってしまうのも、時代劇のお約束だし。でもここいまひとつスカッとしない。

哀しいかな、炎(香川)と水(原田)の対比、香川との一騎討ちを制しつつも重症を負った原田は、城に戻り、首級の代わりに香川の髷を渡すのです。(藩・人民のためとはいえ)許せ…的な荒木の表情から場面が変わると、実は殺されてなかった香川が荒野で「ウォーッ!」と叫んで終わってました。愛弟子を殺す事、出来ずだったのか…。
理不尽すぎる武家社会の悲哀。気になる点も多いですけれど、下級藩士たちと香川の姉役のさとう珠緒さんの台詞回しは酷くてどうでも良かったですが、映画はセルフリメイク作品なのだそうですが結構良く出来ていると思います。