いやいやえん@引っ越しました!

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情愛と友情

【概略】
オックスフォード大学に入学したチャールズは、貴族の息子で危うげな魅力を持つ美男子セバスチャンと意気投合し、友情とも愛情ともつかぬ濃密な関係を深めていく。やがてセバスチャンの屋敷に招かれ、美しい妹のジュリアに出会ったチャールズはジュリアにも惹かれていく。しかし強固なまでに敬虔なカトリック信者であるセバスチャンの母親による呪縛が、3人をそれぞれに追い込んでいくのだった
ドラマ


.0★★★☆☆
原作は文芸小説「ブライヅヘッドふたたび」。読んだことはありませんが、イギリス社交界を舞台に、滅びゆくカトリック貴族生活や愛を叙情的に描いたイギリス文芸らしいです
貧しい生い立ちの青年が、貴族の息子の「ブライズヘッド屋敷」へと招かれ、彼との同性愛的で濃密な友情を深めていくが…。あやうい貴族の青年セバスチャンを、「パフューム ある人殺しの物語」で主演を務めたベン・ウィショーさんが演じています。
原作のあらすじをざっと読んだのですが、同性愛や友情というよりカトリック貴族の悲哀を中心としたような話なんですね。最終的に信仰を失っていたような3人の貴族の親子が、最後に神の元へかえっていくというのは象徴的かも。繊細なセバスチャンを愛しながらもチャールズとジュリアの惹かれあう恋情を、敬虔なカトリック貴族親子の対照的な生き方や母子の愛憎に絡ませて描かれていましたね。
チャールズとセバスチャンの二人だけの精神的な友愛。でもセバスチャンは肉体や精神そして性差さえ越えた1人の個としてチャールズを愛していた。セバスチャンの生き方は破滅的にみえましたね。
船上パーティでジュリアと再会し愛し合うチャールズ。でも障害になったのがカトリックの母に厳しく縛られていたジュリアのトラウマのような信仰への苦しみ。これは彼女自身に呪いのように彼女と同化してしまっていたんですね。死ぬために戻ったあの父でさえ、最期に神を受け入れるのを見たジュリアは、チャールズに別れを告げ、ジュリアの微笑をみたチャールズは、彼らからカトリック信仰を除くことが出来ない(自分が入り込めない)のをはっきりと知る。20年後、連合部隊の本部にされたブライズヘッドに戻ったチャールズは昔のままの礼拝堂のチャペルと再会する。
ストーリーの流れは原作あらすじに沿っていましたね。イギリス国教会はどちらかといえばやはりプロテスタントであるため、カトリック信者自体が少なくましてや大貴族でのカトリック信仰というのは珍しいことであったようです。
ベン・ウィショーさんが繊細で壊れそうなセバスチャンを好演。後半はほとんど出てきませんが、モロッコの僧院での別れはなかなか良かったと思う。そしてマシュー・グードさん演じる主役のチャールズは美しい青年でした。