いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

少年H

【概略】
昭和初期の神戸。洋服の仕立て屋を営む父・盛夫と母・敏子の下で、好奇心旺盛に育つHこと肇と妹の好子。幸せに暮らしていた家族だったが、徐々に戦争の影が忍び寄る。
ドラマ


.0★★★☆☆
ごく普通の人々が戦争の狂気によって変えられていく様が良く出てたと思う。再現された昭和前期の神戸の街並みが、空襲で壊されてしまう様も良く出来ている。
優しい父と敬虔なクリスチャンの母、好奇心旺盛な少年Hとその妹好子。戦争映画の見慣れた感はあるものの、どこにでもいる一家を通して伝わるこの虚しさと優しさ。
レコードを聴かせてくれる気さくなうどん屋のにいちゃんが思想犯だったり、映画館の映写技師のおとこねえちゃんが出征を苦に首を吊ったり、隣の普通の人々がある日どうなるかなんて誰もわからない。しかしそんな世の中でもまっすぐに力強く生きようとする家族には心打たれました。
水谷豊演じる父親は、単に優しいだけではなく柔軟な考えの持ち主で、よくある戦前の頑固一徹な父親像とは違った。柔らかな眼差しで子供たちを見守っているのだ。これが凄く良かった。
この時代に「H」というイニシャルをセーターに刺繍しちゃうなんて、いくらクリスチャンの母親でも凄い。そして母親の信仰心は、後半の食事のシーンでも試されているかのようだった。そんでもってH少年の主張は現実的で非常に共感できる。
あの戦争は何だったのか。少年の気持ちの矛先は全てそこへ向かう。そして父親が見せるものは弱さから柔らかさ。
気の強い眼差しで戦争のありがままを見つめる主人公H役の少年の好演が光る。けれど、さすがに15歳の役を演じるのは無理があったかな^;