いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする

【概略】
ひとりの男が、心療施設からロンドンへやってきた。彼は街を彷徨いながら自分の過去を回想し、ノートにつづる。娼婦と浮気をしている父親、母親の不幸、行き場のない思いを抱えた自分。そして少年時代の最悪の出来事を思い出した男は、その真実に驚愕をする…。
スリラー


.5★★★★☆
まるでクモの巣のように現実と虚構・現在と過去が絡み合っている。統合失調症の主人公の、少年時代の回想を描いた作品です。
精神を病んだ主人公デニス・クレッグの目を通して少年時代の記憶を追体験していくので、それが本当なのか本当でないのか、わかりにくいところがまた小憎いですね。彼が過去の出来事を思い出し、ノートに書きながら徐々に真実が明らかにされて行くところはミステリータッチで面白いです。
主人公を演じるのはレイフ・ファインズさんで、病的な表情や演技に引きこまれます。母親と娼婦を演じたミランダ・リチャードソンさんも忘れてはいけませんね、同一人物とは思えないほど巧みに演じ分けていました。
ただ、なんだかよくわからないけれど、頭の中の、深く奥の方へ方へと案内されている気分になる。絡みついた蜘蛛の糸が記憶の糸のように、ほつれ、繋がり、またほつれていく。
結局、母親を「優しい母」と「娼婦」とに分けてみていた少年が母親を殺した、という事実が浮き彫りになる。「女性」というものの本質を別に捉えていたというのか、何となく落ち着かない気分にさせられる作品でした。