いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

哀しき獣

【概略】
出稼ぎ中の妻と離れて暮らすタクシー運転手・グナムは、賭け麻雀で借金を負う。窮地に立たされた彼は、借金返済のため韓国に密入国し、殺人請負業に加担することを決意するが…。
サスペンス


.0★★★☆☆
バイオレンス・アクションサスペンス作品。「チェイサー」の追い詰めるのと追われる側だったのが、善悪を逆にしたような配役なのも面白いところ。
展開は少々雑ですが、圧倒的に感じるパワーと勢いがあまりそれを意識させない。面白いのは韓国内にもある差別問題を扱っているところかな、朝鮮と中国に関する人種的マイノリティ問題がそれ。
物語は、タクシー運転手をしている主人公は妻を出稼ぎに出したのだが、その妻からの連絡が途絶え、借金も背負っている彼が、ある人物から十分な報酬と代わりに男を殺してくるようにと迫られる。妻を探したいという思いもあって、韓国行きの密航船に乗って黄海を渡って行くのですが、物語自体も主人公の転落に引きずられるかのように泥沼錯綜状態へ。
暴力描写は容赦がなく、何度も刺し、叩き、殴る。お互い抵抗しながらなので、余計に血飛沫が飛び散ります。包丁、斧、ナイフ…骨まで、キレイに人が死ぬのではなく、生々しい息遣いを感じるかのようなもの。息が詰まる。ドロドロとした暗い内容と雰囲気に140分は少々長いですが、徐々に引き込まれていきます。
また、ミョンがとにかく超人的な存在悪で不気味。飄々としながらも強烈な残忍性。
ほんのわずかな希望さえもずたずたに切り裂かれたグナムにはもう拠り所がない。いったん一線を越えてしまえば、あとは獣に成り下がるしかないのか。とてもやるせない、哀しい狂犬の姿だ。
容赦のないバイオレンス描写とスリリングな展開に息をつかせぬ衝撃作が出来上がった。
包丁で指を切り落とす音がリアルで頭から離れない。