いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ケン・ラッセルの「サロメ」

【概略】
O・ワイルドの戯曲「サロメ」をK・ラッセルが大胆に脚色し、斬新な解釈で物議を醸し出した異色ドラマ。ワイルドは「サロメ」を発表するが、スキャンダラスな内容のために上演禁止処分を受ける。ワイルドを慰めるため、友人たちは男娼館で上演を試みる。
ドラマ


.0★☆☆☆☆
「サロメ」といえば、イエスに洗礼を授けた洗礼者ヨハネの首を求めた名高い女性ですね。
その題材をO・ワイルドが戯曲として使ったものを大胆に脚色。
オスカー・ワイルドが娼館で上演禁止となった自作の戯曲「サロメ」の上演を愛人であるアルフレッド・ダグラス卿と観るという設定の映画で、つまりは「劇中劇」のタイプの作品。
サロメを知らない方のために簡単に。
一般的なワイルドの「サロメ」は、洗礼者ヨハネに強く魅せられたサロメがその誘惑を拒絶するヨハネに対して、義娘サロメへ執着するヘロデの要望で「7枚のヴェールの踊り」を舞った代償としてヨハネの首を求めるというもの。最終場面では、その首にサロメが口づけする衝撃的場面もあり、聖書とは違った淫靡な世界が描かれています。


この作品中の劇中劇では、チープで馬鹿げたコスチュームなどで、いかにも「劇」という感じ。ヨハネに魅せられたサロメは数々の誘惑をするものの、全て拒絶。サロメは執拗にキスを求めるが、再び井戸へ戻されるヨハネ。
ナラボートはサロメに焦がれて挙げ句に自殺、ヘロデは義理の娘サロメに欲情→妻はそれを冷たくせせら笑い、ヨハネは神を、サロメはヨハネしかみていない。
それぞれの関係がすべて「→」になるんですよね。そしてそれぞれ「月」への一言があります。この「月」ですが、意外と重要です。それぞれの気持ちを表す指標みたいな役割を演じています。まるで死んだ女のよう、冷たくて純潔なのだね、月は。そうだよ、月は生娘なのだよ。一度もけがされたことがない…などなど。
それにしてもサロメがヨハネに対して誘いをした台詞、凄い形容です。
結局、ヘロデ王との取引により、ヨハネの首をサロメは手にします「お前の唇にくちづけしたわ、あれは血の味かしら?きっと恋の味ね」昔も今も、恋は苦いもののようです。
無垢であるがゆえの狂気、それがサロメだったのかもしれません。