いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

誰がため

【概略】
第二次世界大戦末期、打倒ナチスを掲げる地下抵抗組織の一員であるコードネーム、フラメンとシトロンの任務はゲシュタポとナチに寝返った売国奴の暗殺だった。確固たる信念のもと、任務をこなしていく2人だが…。
ドラマ


.0★★★☆☆
マッツ・ミケルセンがみたくて借りました。
ただ、「生きる」ためなら降伏を、だが、「存在する」ためなら戦いを―。
1944年。ナチス占領下のデンマーク。ナチス・ドイツに対するレジスタンスの一員であるフラメンとシトロンは、上層部からの命令にしたがって、ナチスになびいた売国奴の暗殺を実行していた。ある日、組織の上層部はフラメンの恋人ケティを密告者と見なし、ふたりに殺害を命ずる。ところが、当のケティからは逆に「組織の上層部が自分たちに都合の悪い人間を暗殺させている」という旨を告げられる。ふたりは「自分たちは組織にだまされて、無実の人間を殺していたのか?」という罪の意識に呵まれ、しだいに疑心暗鬼になっていく…。

最初から重苦しく、異様な緊張感が漂います。それはまったく途切れることなく最後までずっと続きます。
デンマークでも大戦中、レジスタンス(反ナチ)活動があったという史実を、この映画を観て初めて知りました。そもそも、デンマークがナチスの占領下にあったということすら知らないという…お恥ずかしい限りであります。
フラメンとシトロンは実在の人物だそうで、劇中ではやや対照的に描かれています。
レジスタンス活動の一環とはいえ、標的に近づいては銃を撃ち立ち去る姿は、戦争映画というよりはまるでマフィア映画を観ているようでした。
信じていたものが歪んで見えてきた時、一体誰のために戦ったのかという疑念の中に放り出される。
しかし、デンマークの歴史を知らなかったので、ストーリーがいまいちよく分からなかったところもありました。まず説明が少ない。そして二重スパイの女性の存在や、レジスタンスの上部組織など必ずしも利害が一致していなかった連合国諜報部門の責任者らがストーリーを尚更複雑にしているんですね。

嘔吐するほどナチスの侵攻を嫌い、家族を犠牲にしてまで活動に勤しむ人を射殺したことのなかったシトロンが、後半ためらいもなく暗殺を実行していく姿に恐ろしいものを感じました。「戦争に正義など無い、ただ標的を倒すだけだ。」そう信じなければ、やってられなかったのでしょう。
ヒロインであるケティが年増にみえて、フラメンに感情移入が出来ず^;でも若い乙女だったら、自分の命と懸賞金のために愛する男を売るようなことが出来るだろうかと思ってしまう。そういう意味では大人めいた女性であったほうが役にはぴったりだったのかもしれませんね。フラメンの手紙の内容は、彼女を疑いながらも純愛すぎて物悲しいものがありました。
誰のために闘うのか、何を信じればいいのか。追い詰められる2人は、ついにゲシュタポのボス、ホフマン暗殺に動きます。暗殺に失敗した2人は、それぞれホフマンに追い詰められ、フラメンは服毒自殺し、シトロンは射殺されます。
原題よりも巧い邦題です。


【見どころ】
車の中で寝るマッツ。妻子から見放されるマッツ。妻の男に脅しをかけるマッツ。蜂の巣にされるマッツ。