いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ダブリンの時計職人

【概略】
ロンドンで失業し故郷ダブリンに戻って来た時計職人・フレッドは、落ち込んだ日々を送っていた。しかし、青年・カハルと出会い、フレッドは次第に新しい自分を発見していく。
ドラマ


.5★★★☆☆
アイルランド・ダブリンを舞台に、不器用な大人たちの人生の再生を描いたドラマ。
ロンドンで失業し、故郷ダブリンに帰ってきた時計職人のフレッドは、仕事も住む家もないホームレスとして暮らさなければならない日々を送っていた。
閉じられる職安の窓口が、まさに行き場のない人生を示しているようで悲しくなります。ホームレスといっても車中生活で身なりに気を使っていて小汚くはありません。
偶然知り合ったカハルは薬物中毒の家出人だったが、彼に導かれてスイミングプールに行き、そこで出会った未亡人のピアノ教師に魅かれる。しかし勿論自分の素性を打ち明けることができません。
カハルと接するうち彼の気持ちがプラスに変化していきそれはまさに止まっていた時計が再び動き出すかのように人生の歯車がまた動いていくような。
親子ほど年齢差があるのに、ドリフトやプールなど一緒に行動する事で友情を育む二人のやりとりがなんだか良かったです。
しかし結局ドラッグに溺れていくカハルは、過剰摂取で死んでしまい、ジュールスはヘルシンキへ帰り、一人残ったフレッドは、新聞に載った事で住所不定から仮家をもらい、生活する事ができるのでした。
なにかを得る時には物凄く時間がかかるのに、失う時は一瞬で消えていく。時間というものは無情で残酷だ。前進することの難しさをこの映画は真正面からとらえて、停滞してしまった二人の男の末路を描いていた。
カハルが大切にしていた時計は、彼を拒絶した父親のものだった。時計職人だったフレッドはそれを直し、葬儀の父親に渡すのだった。この止まった時計も、人生がそこで止まってしまったカハルを象徴付けるものだったな。カハルの父もまたこの時計を渡された事で、彼の中の時間も進み始めた気がするよ。