いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

CHAPPIE/チャッピー

【概略】
2016年―犯罪多発地区、南アフリカ ヨハネスブルグに世界で唯一の“感じ、考え、成長する”AI(人工知能)を搭載したロボットが誕生。彼の名はチャッピー。起動したばかりのチャッピーは真っ新でまるで子供のようだが、彼の余命はたった5日間しかない。ギャングにさらわれたチャッピーは、ギャング式の生きる術を覚え加速度的に成長する。
SFアクション


.0★★★★☆
犯罪が多発するヨハネスブルグで心も知能も人間のように成長するロボットが犯罪組織に巻き込まれ、そこでの経験を元に成長する姿を描いた作品。まるで子育てシミュレーションのような展開が続きます。無邪気な子供が犯罪に手を染めやむを得ず悪に染まっていく姿の痛々しさに複雑な想いを抱かされる。生育環境ってすごく大事。
この監督の「第9地区」は好きなんですが「エリジウム」はダメで、どうもこの監督はむらがあるというか、雑な部分を多く感じます、とくに後半。「細かいことは気にするな」の精神なのかもしれませんが、SFがファンタジーへと変わっちゃった感が。
とくに、人工知能で動くロボットが作れる程度のテクノロジーレベルからかなり飛躍した「意識を取り出す事」が実現してしまうあたり、しかも超簡単に。これを観て「プレステージ」を思い出しましたが、あれも、「なんちゅうものを後半出してきたんだ。魔法じゃないか」と思ったものでした。これも感覚的には同じ感じかな。

あと創造主のライバルでもあるヒュー・ジャックマンが凄いゲス野郎。
子どもがギャングな親の養子になっちゃったから、創造した親がたびたび様子を観にきてこっそり真面目な教育を施すというSFらしからぬ展開になる。不良たちの中に置いてかれ石を投げつけられ火炎瓶を投げつけられ「なんでこんなことをするの。お願いやめて」を連呼して助けを呼ぶチャッピーが可哀想でならなかったよ。無垢な子供が痛めつけられてる様子そのまんま。

「チキンなんてほしくねえよ。興味ないね」とか悪ぶってて笑った。
余命5日しかないのですが、「意識を別の器にコピーすればいいじゃん!」ってなるんですよ。ロボットである自分だけならまだしも、瀕死の創造主やママに対しても同様に「コピーすればいいじゃん!」ってなる。これは、ロボットならではの短絡的思考ですが、チャッピーの愛くるしさに誤魔化されているものの、非常に恐ろしい思考ですよ、そしてそれはまさかのハッピーエンドのような描き方で終わる。
物凄いブラックなものを映画自体に感じた。「これは一時的なボディだ。すぐに新しいのを作るね」可愛らしい物言いの反対にそれは、人間の体を捨て機械化することへの憧憬に他ならない。何を持って人間となすのかと言う線引きが非常に難しく感じる作品ですが、私個人はチャッピーの言う意識(精神)が人を作っていると思っているので、ボディは器という考えは理解できるのですが、しかしそれをとても当たり前のように映画でさらりと描く事の出来る監督は、やはり天才なのかなあとも。
なんともいえない怪作ですね。