いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

テイク・シェルター

【概略】
工事現場で働くカーティスは、妻と耳の不自由な娘との生活に幸せを感じていた。しかしある日突然、大災害の悪夢にうなされるようになり…。
スリラー


.5★★★☆☆
大災害の予知夢を見てしまった事から恐怖に取り憑かれた男が、一心不乱に庭に避難用シェルターを作り始めるという心理もの。相変わらすマイケル・シャノンさんはこういった妄執的な役柄が似合います。
主人公のカーティスはとんでもない嵐が来るという悪夢が妄執となってシェルターを作り始めるのですが、当然周囲は奇異の目で見るし、妻は支えようとはするけれど疑問がぬぐえない。聴覚障害の娘は無邪気に笑顔を振りまく。
大きな嵐と黄色い雨、無数のカラスと降ってくるカラスの死骸、襲ってくる人々…果たして本当に大災害は起こるのか?それとも妄想に過ぎないのか。
淡々とした地味な作品ですが、じわじわと浸透するような妄執が現実味を帯びてくるところなど、かなり不安になる要素もあります。また母親が統合失調症だったこともあり、自分もまた同じ病気なのではという不安が常に添う。この不安を拭うのもまたシェルターなのです。そうしてだんだんカーティスは追い込まれていく。
職も失い全てから見放されても寄り添う妻の姿がいい。先の読めない展開と、徐々に広がる不安が伝染してきて、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。
そして嵐がやってきてシェルターに逃げ込む家族。その後妻が夫に「扉を開けて」と提案する。そして、ついにシェルターの中からドアを開けたら…。
この数分が最も緊張感溢れるシーンでしたが、いったん収束した後のラストはまさかの展開でした。ラストの解釈に悩みましたが、あれは「予兆」なのかそれとも「現実」なのか。どちらにせよ、妻サマンサの言葉「わかってるわ」がとても深い言葉に感じられ、この家族がひとつになれる瞬間だったことでしょう
かなり地味だし淡々としている作品でしたが、ラスト終盤に面白くなり前のめりで見てしまいました。