いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ハイヒールの男

【概略】
犯罪組織からも恐れられる脅威の戦闘能力と暴力性、そして完璧な肉体と容姿を兼ね備えた刑事、ユン・ジウク。しかし、そんな彼にも人に言えない秘密がひとつだけあった。
アクション


.5★★★☆☆
犯罪組織からも恐れられる脅威の戦闘能力と暴力性、そして完璧な肉体と容姿を兼ね備えた刑事ユン・ジウク。しかしそんな彼にも人に言えない秘密が一つだけあった。それは<女性になりたい>という願望を持っていること。
長年そのことで葛藤を続けてきたジウクだったが、遂に、自分の心の声に従う決意をする。
前半どう見ても女性に見えない女装姿に、最初かなり呆れましたが、物語が進むにつれて美しく格好良くみえるのはなかなかどうして驚いた。
ただしこの作品は、女性になりたい刑事ものコメディを描いたものじゃなくて、結構ハードバイオレンスなアクション映画なので、主人公がべらぼうに強い。冒頭一人でヤクザ組織に乗り込んで、刃物持ち相手を軽くいなしてボスをボッコボコ、まさに「不死身=サイボーグ」な所を存分にみせておいて、で、これは性同一性障害を際立たせる為の映像だったんでしょうね。ギャップと言うやつです。(手足が長いからアクションが凄く格好良く見える)
刑事を辞めて女性になろうと、ホルモン注射に通ってる訳なのですが、医者は効果が薄い、運動するなという。普段銃や手錠を使わないため、自然と「体が動いちゃう」んですよね。
また、彼の障害は学生の頃で、同級生の男子に自然に互いに心惹かれてしまっていました。その相手は死んでしまうのだけど、彼の妹を一生守ると誓いを立てているわけで。
ちなみに女性になろうとしているとき、↓ こうアドバイスをもらうんだけど…
「(女装を)変な目で見られるわ。それを感じきって、感じきって、何も感じなくなったら女になってるわ」
これ、なかなか的を得ているかもね。
で、当然冒頭のヤクザ組織に狙われるんだけど、肝心の彼の妹にも昔の名前を知っていた事で正体がばれてしまう。彼の目と同じ目をもつ妹。つい、キスしてしまうジウク。複雑な関係に陥っていく。
刑事を辞めたジウク、ヤクザたちは彼の周囲のものから狙っていく…じわじわと。弟分の刑事ジヌが殺され、妹の女性も拉致されて、アメリカへ手術しに行くため飛行場にいたジウクの怒りは静かに爆発。
タクシーにハイヒールとかつらを残して(女性への願望との決別)、ひとり、ヤクザ組織に殴りこむ。
雑魚をいなしボスをぶっ刺し殺し、自身も重症を負いながらも、「女は死んだ」と聞かされ絶望のままタクシーにまた乗り込んで帰宅するのだが、実は彼女は無事に生きていて、ヤクザの縄張り争いに結局ジウクたちは巻き込まれただけなのであった。
数年後(もしくは数ヵ月後)、彼女の結婚式の招待状が出来たと車で話し込む二人。ジウクにはヒゲが生え、男らしい顔つきと体つきのままであった。
韓国映画の凄さをまた思い知った本作でした。手足の長いチャ・スンウォンだったからこそ、アクションが映えた。そして、女になりたいと願望をもって覚悟まで決めていた「彼」が、ラストで男として生きる事を決断したドラマパートも、とっても深く癒されない心の傷と、覚悟をみせてくれた。
ちなみに妹の結婚相手はジウクではない。彼女が結婚したあとも、きっと彼女の事を一生守り続けるのでしょうね。