いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

母なる証明

【概略】
漢方薬店で働きながら一人息子のトジュンを育て上げた母。二人は貧しいながらも、母ひとり子ひとりで懸命に生きてきた。息子は、内気だが朗らかな純粋な青年であった。ある日、二人が住む静かな街で凄惨な殺人事件が起きる。一人の女子高生が無惨な姿で発見されたのだ。事件の第一容疑者として、トジュンの身柄が拘束された。彼の無実を証明するものは何もない中、事件の解決を急ぎ警察は形ばかりの捜査を行い、トジュンの逮捕に踏み切ろうと画策する。一方、弁護人はやる気もなく、有罪判決は避けられないように見えた。無実を信じる母親はついに自ら立ち上がり、息子の疑惑を晴らすため、たった一人で真犯人を追って走り出す。
サスペンス


.0★★★★☆
軽度の知的障害を持つトジュンと二人で暮らす母。そんなある日、女子高生が殺される事件が起き、容疑者としてトジュンが逮捕されてしまう。唯一の証拠はトジュンが持っていたゴルフボールが現場で発見されたこと。やる気のない弁護士、捜査を終わらそうとする警察。息子の無実を信じて自ら事件を捜査し始める母親。
冒頭、枯れ野で踊る母親の姿は、滑稽さもあるけれど、何かしらもやもやして嫌な感触を見ている側に与えます。このシーンは後半のあるシーンに繋がってるのですが、実際、この作品はズドンと胸になにか重たいものが落ちたような気分にさせられるものでした。
母親は、本当は息子を心の底からは信じてはいなかったのではないか?だからこそ、それを否定したくて極限までの必死さがあったのではないだろうか。それはふとした事で狂気となってしまうようなもので。
面会時に思い出した5歳の時の記憶…母親に農薬を飲まされたというものですが、これも大きなポイントだったと思います。また、唯一の目撃者は廃品回収者のおじいさんで、亡くなった女子高生と米餅(なんつー表現^;)つくためにそこにいた。冤罪であることが前提のストーリーがここで反転する。それでも母親は息子を守る、守らなければならない。そう思ってしまうのは単純に愛からか、責任からか。
それにしても、韓国サスペンス作品は人間の業をさらけ出すのが本当に上手いよね。心の奥底の見てはいけないものを見ちゃったかのような不安。後半でトジュンが母親に渡す箱、何気ない場面ですがここで「あっ」と思っちゃうんじゃないかな。
ラストで自分の太もものツボに針を刺してバスの中で踊り狂う母親の姿に、冒頭のイメージが重なって母性愛の悲哀を感じました。
あえて息子の解釈をラストまで観客に任す演出は良かったと思います。が、私はバッドEDのほうを選びたいと思います。