いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所

【概略】
ホラー映画の巨匠監督に雇われ、低予算のホラー映画ばかりを扱う音響スタジオに赴任することになった音響技師・ギルデロイ。彼は日々残虐なシーンに触れていくうち、残虐性に目覚めていき…。
スリラー


.0★★★★☆
1976年、低予算のホラー映画ばかり扱う音響スタジオのバーバリアン・サウンド・スタジオ。音響技師のギルデロイはここに赴任する。そして、毎日のように残虐なシーンに触れ、絶叫や斬る・刺すシーンに合わせて野菜を切り続けるギルデロイは、自身に潜む残虐性を目覚めさせていく。
兎角、頭部破壊音がスイカを叩きつぶすことだったり、刺殺音がキャベツをナイフで突き刺しまくることだったり、火かき棒で拷問する音がフライパンに油をひく音だったり、地面激突音がカボチャを床に叩き付けることだったりと、「音」を作っていく過程に興味が惹かれました。よく波の音なんかはTVで実演でみせてくれたりはするけど、ホラー映画特有の音って、そうだよね、実際に人を殺すわけにもいかないし(笑)あんまり考えた事なかったなあ。
初めてのホラー作品「呪われた乗馬学校」、いかにも低予算映画のC級タイトルですが、この「音」を作っていく過程で、トビー・ジョーンズ演じるギルデロイが精神的に追い詰められて、まるでブラック企業で働かされているかのようにもみえてくるから不思議だ。
唯一生活を感じさせるものが母親からの手紙で、ギルデロイは、母親からの手紙を大事に読むような男なのだ。

次第に不穏なムードへと変わっていく、日々。職場に馴染めずにその精神を徐々に摩耗させていくギルデロイは、静かに発狂する。破壊的破局を描かない代わりに、全編にかけてゆっくりと表現されているのが、映像や音が彼の意識に浸透混濁していく様である。
何度もナイフで刺し、叫び声は歪められ反響し、表情も、腐った野菜も、暗闇も、何もかも、意味をなさずにそのまま溶けて消えていく。何度も挟まれる「録音中 静かに」がこの映画の肝なのだ。
なんか頭がおかしくなりそうな作品だったな。