いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

薔薇の名前

【概略】
宗教裁判激化の中世を舞台に、イギリスの修道士・ウィリアムと見習いのアドソのふたりが、不審な死を遂げた若い修道士の死の真相究明に乗り出す。
サスペンス


.0★★★★★
「薔薇は神の付けたる名にして、我らが薔薇は、名も無き薔薇なり」
ときは中世ヨーロッパ。見習い修道士アドソの師匠であるコネリー扮する理知的なウィリアム修道士はかつて異端審問官だったが、当時のフランシスコ会とアヴィニョン教皇庁のあいだで巻き起こった(清貧論争)論争の調停を手配することになり、その調停のための会談にお互いの代表者が招聘されるのだけど、その修道院内で殺人事件が起こってしまう。この事件は異端者の仕業だと考える実在の異端審問官ベルナール・ギーが審問を要求して事態は急展開し…。
つまりは物語としてはこういうことなのだけど、教会におけるダークサイド部分やもちろんミステリー部分、それに当時のキリスト教会の複雑な人間ドラマがとにかく面白い傑作。歴史考証や、あのくら~~~い雰囲気などもかなり良いです。語り手は弟子であるアドソ。彼の書いた手記録の形です。
映画としては、かなりハードなマニアックともいえる歴史ものです(大学の授業などでも使われるくらい)。
洞察力に優れ冷静で理知的そのうえ頼もしいというショーン・コネリーさん演じる激シブ修道士とアドソ役の初々しいクリスチャン・スレイターさん、それになんとギーはエイブラハムさん(この人こういう役やらせたら素晴らしいですね)。 師匠と弟子の関係も凄くほほえましかったです。
万人受けする作品ではないですが、かなり面白い+興味深かった。
個人的見所も満載。当たり前ですが、みなトンスラですし(ときめいたー!)もちろんラテン語、怪奇的な風貌な修道僧たちがまたなんとなく異世界というのか隔絶された空間を感じさせてくれます(特に不自然なくらい白い顔の太った副司書ベレンガーリオ)。荘厳な合唱風景や禁書保管の地下迷路の描写もよかった~~迷ってみたい∑(´□`;)
宗教的禁書を巡っての事件なわけですが、今もそうだけど当時はもっと「信仰と狂信は紙一重」だったんでしょうね。当時の知といえばやはり本、ウィリアム修道士が異端蔵書に喜び、無くすことを嘆く場面なんだか凄くよかったな~。
西洋中世におけるアリストテレスとか、魔女狩り含めた異端審問部分、つまりは14世紀宗教情勢とそれぞれの会の関係、清貧論争、キリストの笑い、ベルナール・ギーなどのキーワードにそこそこの知識や興味がないと本当の意味でこの作品は楽しめないのかもしれませんが、単純に映画作品として観てもかなり面白かったです。
昔みたときは、単純にミステリーとしか観れてませんでした。今回改めてみて作品の奥深さを知りました。原作(解説書も出てるくらい凄く難しいらしい)いつか読んでみたいです。