いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ひつじ村の兄弟

【概略】
40年もの間、全く口を利いていない老兄弟・グミーとキディー。保健所に命じられた羊の殺処分に抵抗すべく、ふたりは40年ぶりに力を合わせていく。
ドラマ


.5★★★☆☆
絵本のタイトルのようなほんわかしているだろうなという予想を大幅に超えてゴリゴリにシビアな話でした。あと、むさいお爺ちゃん兄弟なのに名前が可愛いです。兄弟の確執は、羊の品種等を競い合うライバル同士ならではのピュアな確執にも映る。羊以外に失うものは何もない。だからこそ羊に大変なことが起こった時には、互いに裸で抱き合うほど命懸けで協力し合うのだ。
また本作に登場する羊は、アイスランディックシープと呼ばれる種類で「世界で最も古く純粋な品種」だそうだ。1100年以上前にヴァイキングが持ち込んだそうで、この羊がいなければアイスランドで人間が生きていくことは不可能だったと言われている。なんか上品できれいな羊たちだった。

R15指定なのは、お爺ちゃんの全裸が出てくるからです。
40年もの仲違いの理由はよくわからないけれど、どちらもそれなりに頑固で譲らないところがあるし、突然降って湧いた伝染病騒動でのんびりした村も一変せざるを得ない。兄キディーは頑固に羊を守ることを主張するが、村全体の決定で羊を全部処分するほかなくなってしまう。弟グミーが自ら銃で愛する羊たちを殺処分するシーンは百頭を超える羊の死骸が折り重なる信じがたい光景で、グミーの悲しみが痛いほど伝わってきた。
けれど、弟グミーが、泥酔して凍死しかけたキディーをショベルカーで雪ごとすくって救急病院の玄関に置き去りにするのはちょっと笑った。気遣いを知られたくないのが偏屈な兄弟らしくってさ(笑)。キディーもグミーの家に発砲したりするし(笑)
そんな兄弟なので、羊の全殺処分が保健所から言い渡されてもグミーの方はこっそり羊を飼い続ける。グミーが隠れて飼ってたのは自慢の雄羊一匹と雌数匹。先祖代々の優良な羊を守るんだ、と弟は繁殖を行おうとする。キディーもまたグミーのこの行為で弟も自分と同じ思いをしているのかと知るのです。しかし羊を匿っていたことがバレて、吹雪の中、グミーとキディーは羊とともに旅立つ。山の火山帯なら羊は越冬できる。そこに羊を隠してしまおうと考えたわけです。
吹雪の猛り狂う夜の雪山。闇と雪に閉ざされ、もうなにがなんだか分からない。きっと俺は死ぬだろう。しかし、羊が助かるのならそれでいい。なんだかもうそんな心境に陥っちゃってる二人。そうこうしている内に2人は遭難。グミーが寒さに倒れたのでキディーはシャベルで雪穴を掘り、裸で抱き合い体を摩りつつ、互いに生きようとする。そこで映画は終わります。