いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ヒプノティスト―催眠―

【概略】
ある日、ストックホルム郊外で一家全員がメッタ刺しされる陰惨な殺人事件が発生し…。
サスペンス


.5★★★☆☆
一家惨殺事件で、かろうじて生き残った少年。刑事は意識不明のその少年から事情を聴き出そうと催眠療法の専門家に調査を依頼するが…といったストーリー。
催眠療法に殺人事件といった設定に心くすぐられる。監督はラッセ・ハルストレム。スウェーデンのベストセラー小説の映画化ですね。
事件の捜査を担当するヨーナ・リンナ警部は、医師のダニエラからかつて催眠療法の第一人者といわれていたエリック・マリア・バルクを知り、彼に昏睡状態の少年ヨセフから犯人の手掛かりを聞き出すため「催眠」を依頼する…んですけれども、離れて暮らしていた生存していたヨセフの姉からヨセフの出生の秘密を知る。一方ある事情から催眠療法を封印していたエリックだったが、さらなる犯行を懸念するヨーナの気持ちを汲み、ヨセフの意識と接触。それ自体は成功したものの、ヨセフが取り乱したために途中でやめる。数日後、エリックと妻シモーヌの就寝中に何者かが押し入り、息子のベンヤミンが連れ去られてしまう。「催眠をやめろ、さもなくば息子の命はない」とのメッセージが残されていて…。

催眠によって、事情聴取をする…この映画にとっての「催眠」は、そこだけに留まらないのが面白かった。
北欧のミステリーは厳しく重くどんよりとした雰囲気がまたこの作品にあっている。サスペンスとはいっても、一概に犯人逮捕を目的としたものでもなくて、そこに至る人間模様のほうが重要。
しかし、昏睡状態の人に催眠療法(ヒプノシス)で話させることが出来るのならば、結構ニーズがありそうな気がしないでもないのですが…。その辺は眉唾設定なのかな?
催眠療法での供述によって事件の凄惨な状況が次第に明らかになっていくのですが、犯人は、まあ…そう意外でもなかったかな、ただ動機のほうは異常。狂うほど母親はわが子を想うものなんですよね。

妻への催眠の脳内映像が非常に美しかった。昏睡状態とは違って、相手を信頼してないと意識に接触させるのなんて難しいのですから、誘拐なんて事態に陥ってようやく家族の絆が再生されるのもまたよい。また妻が画家だというのも活かされているのがいいですね。

細かい人物描写が、非常に自然な表現で納得出来ました。一見映画だけだとヒステリックにさえみえるエリックの妻の行動も、現実に生きている女性としてみることが出来るのですよね。そういう人間描写が凄く巧みに描かれていたと思います。きっと原作は長く複雑な小説なんだろうなと思わせられる。

またラストシーンである氷上のバスのシーンが素晴らしく良く出来ていて、ひどくハラハラさせられました。
真相に至り多少の尻すぼみ感は感じてしまいましたが、なかなかどうしてこれは面白かった。続編の「契約」も映像化されるそうで、楽しみかもー。