いやいやえん

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個人の感想なのでネタバレしています

ストーンウォール

【概略】
ゲイであることが発覚し、追われるように故郷を出た孤独なダニーを迎え入れたのは、ゲイのギャングを率いるレイだった。様々なゲイやレズビアンと身を寄せ合って生きていたが、セクシュアル・マイノリティに対する迫害と差別、警察の不当な捜査が激化し、ついに怒りと不満が爆発。歴史を変える暴動の始まりだった―。
ドラマ


.5★★★☆☆
僕たちはプライドを諦めない。
マイノリティ…とくにLGBTについては、日本でも段々理解が深まりつつあるようですが、本作の舞台は約半世紀前のアメリカ。1969年のニューヨークで起きた「ストーンウォールの反乱」を題材に、田舎から出てきた白人青年を主人公に据えて、知らなかった彼らの歴史に触れ興味を持つきっかけとなる様につくられた作品かなと思います。
実際のところは、トランスジェンダーの女性と黒人のドラッグクイーンが口火を切ったらしいです。しかし監督自身がゲイでもあり、自身投影のためかわかりやすさのためか、あえて「ハンサムな白人青年」を主人公にしているのかもしれませんね。
主演は「戦火の馬」のジェレミー・アーヴァイン。
当時、同性愛者は精神異常扱いで、ましてや田舎でゲイであることがバレたらとても住んでなんかいられない。追われるように、ダニーはニューヨークのグリニッジ・ビレッジにやって来ます。ゲイたちの集うバー「ストーンウォール・イン」は、ダニーをあたたかく迎えてくれます。周辺の男娼のリーダーであるレイとも出会い、彼らの生活の中に転がり込んでいく。
貧しく、働く場所もない。ギャングと癒着している警察には理不尽に殴られ、客にはレイプされ暴行を受けた。その辛い日々が彼らの現実で日常だった。
ダニーは様々な辛い体験や苦い経験をして、しっかりとした青年へと変わっていきます。
レイ役のジョニー・ボーシャンは華奢で雰囲気がありました。まるで陽気な姉御肌という感じの彼が、時折見せる弱さや繊細さが、とても儚いです。
暴力はもちろん良くないけれども、彼らには暴動を起こす「理由」もあった。やや綺麗にまとまりすぎてる感はありますが、69年、ダニーたちは初めて警官にレンガを投げつけ(実際には窓)、そのたった50人の「ゲイに人権を!」という一夜の勝利が、翌年にはニューヨークで1万人規模の初のLGBTプライドパレードが行われる事となった。
オバマ元大統領は、就任第二回目の演説で、最初の女性の権利獲得のための会議である「セネカ・フォールズ」と公民権運動の舞台となる「セルマ」とともに、「ストーンウォール」に言及しました。「ストーンウォール」の反乱は、セクシュアル・マイノリティの社会運動の原点と言われています。また本作がアメリカで公開された時に、史実と違うとの声が高くあったようです。映画の終わりに実在した人物たちのその後が字幕で出るのですが、主要人物のダニーやレイについては、全く触れられません。そう、彼らは創作された人物。それなのに、まるで彼らが中心に動いたような描かれ方をし、実際に運動に尽力した人々を軽視しているという批判が起こったのは、仕方がない事なのかもしれません。
しかし、監督が描きたかったのは、名も無きマイノリティ達の心の叫びだったのではないでしょうか。そして、少しでも多くの人に彼らの功績と人権に興味をもってもらうこと…。そういう意味ではよくまとまっていた作品だと私は思います。
あの厳格な家族の中で、兄が大好きでありのままを受け入れてくれていたダニーの妹(ジョーイ・キングちゃん大きくなったね)の存在が大きいですね。

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