いやいやえん@引っ越しました!

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

イースタン・プロミス

【概略】
イギリス、ロンドンにある病院に身元不明のロシア人少女が運び込まれる。少女は子どもを身ごもっており、出産ののちに息を引き取ってしまった。手術に立ち会った助産師のアンナは少女が遺した日記を頼りに、彼女の身元を割り出そうと動き始める。手掛かりをたどるうち、アンナはロシアン・マフィアの運転手を務めるニコライと出会うが…。
アクション


.0★★★★★
ハードボイルドだわ…ロシアン・マフィア・ノワールですね。派手な作品ではないのだけど静かな怖さや雰囲気がとてもよかった。
ニコライのどこか諦めてしまっているような空虚なたたずまいや哀しげな目、気だるいんだけど隙のない立ち姿、オールバックにサングラス、細身の体に全身タトゥー。常に冷静で余裕に溢れていて、「危険な男」の色気があった。無表情にタバコをくわえながら死体を処理する姿でさえも素敵。

ヴィゴが演じたこのニコライは最初から組織に信頼された人物ではない。運転手の立場で組織に仕えています。
でもボスの息子キリルはボスのように完全に非情に徹した完成された人間ではなく、精神的にまだ脆く、気に入ってるのは勿論だけどどこかニコライを信頼していて、役に立つ男ということだけではなく、一部では縋っているというか依存しているようにもみえた。
自分のものである彼が自分の身代わりにされた事で父を責めたところでもわかる。娼婦かホモかなんていわれてましたが、そんな薄っぺらなものじゃなくて、ファミリーであって組織的家族で、実際にボスとの血のつながりはあっても本当のあたたかい家族関係のないキリルにとって、唯一信頼できるニコライをある意味で愛しているんだろうね。
ニコライにとってはキリルは扱いやすい人間なのでしょう。でもそれだけじゃなくて、ラストの抱きしめあう彼らの姿には、ある種の絆めいたものを感じたよ。
全裸での浴場乱闘は凄い。全身タトゥーの刃のような細体が、ナイフをもった2人の男と壮絶な格闘を繰り広げます。裸だからなのか、血に染まる背中や蹴り、のたうちまわる様が、映画的無敵アクションではなくリアルな迫力があってよかった。
ニコライは組織に使われる際の冷酷さとは裏腹にどこか優しい。それは組織の一員になる、のし上がる、ただそれだけが目的ではなく、実は潜入捜査もしていたからなのだけど、「まだ王様がいるのにどうやって俺が王になれる?」この言葉通りではなくて、現実を知り、それを変えようと思っているのかもしれない。
ヴィゴさん、これは本当に迫真の演技です。映画館にいけばよかったー!