いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです
個人の感想なのでネタバレしています

ブラインドネス

【概略】
始まりは一人の日本人男性だった。突然目の前が真っ白になり完全に失明する謎の伝染病は、彼の発症を皮切りに爆発的な勢いで拡がっていく。有効な治療法のない中、政府がとった政策は感染者の強制隔離だった。
サスペンス


.0★★★☆☆
ジュリアン・ムーアさん主演。さすがに上手いマーク・ラファロさんや悪役のガエル君、日本人役者さんもでていますね(伊勢谷さんと木村佳乃さん)。
失明は失明でも白い光しかみえなくなるというもの。全世界の人々が「白の洪水」とよばれるこれに発症していき政府は彼らを隔離することに。ジュリアン・ムーア演じる主人公は発症した目医者の夫を案じて隔離施設に一緒に入所するんですが、彼女だけは唯一「見える」という役どころです。ただ、この理由は全くわからないまま進むためその謎を解明する系の作品ではない。
次第に悪くなっていく環境と食料や性をめぐる姿は原始的です。見えていない事になってる主人公は、見えない周囲にあわせながら行動するんだけれど…これが誰も不自然に思わないのは「見えない」から。見えないというのは人間性も次第になくなっていくんだね。身なりも気にしなくなり、見えないからこそ側にいる相手をも信じられなくなる。不安になり、お互いを感じるのは触れ合う時だけなんでしょうね。
食料の代わりに女を差し出せという要求、まあ人間なのでこれは型どおりではありますが、ここの描写は勿論気持ちいいものではないですが、おそらく、もし、もしもですよ…いざそういう状況になった場合、半分の女性は名乗り出るのではないでしょうか。男達はプライドや尊厳なんてのを口にしていましたが…そういうことじゃないんですよね、それにそれはもうこの瞬間には男達が口にしていい言葉ではない。私はここの部分の描写よりも、むしろマーケットで食料の匂いに寄ってくる人々にもみくちゃにされるシーンのほうが暗い気持ちになりました。
施設を出てからは面白い展開になりましたね~。町をさ迷う姿は異様。夫がセンチな気持ちになってはいても、そりゃあ全てを任された妻はドライだろうねえ…。
そういえばこの作品には一切名前がでてこない。これもまた不思議でもあるんだけど、作品内でもそれを言級している場面がありましたよね、名前など意味がない…内面だけでいいのだ、と。名前という標識がないことで逆にその人自身である「個人」が際立つのかもしれません。
ひとつの家族という絆で結ばれる第一病棟の面々のシーンに至った瞬間、観ている側の乾いた心に妙な癒しがありました。なんとも不思議な作品でした。

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