いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

ブランカニエベス

【概略】
天才闘牛士の娘・カルメンは、邪悪な継母に虐げられて幼少期を過ごす。ある日、継母に命を奪われそうになった彼女は小人たちに救われ、見世物巡業の旅に出る。
ファンタジー


.0★★★★☆
タイトルの「ブランカニエベス」とはスペイン語で「白雪姫」。そう、この作品は「白雪姫」を題材にしたモノクロ無声映画で、スペインの闘牛とフラメンコ音楽とが融合した、かつて見たこともない世界観が描かれているのでした。
ギターと手拍子で刻まれるリズムが、台詞なしでも情感たっぷりに物語を紡ぎだしていきます。

天才闘牛士の血を引く少女カルメンシータは、継母から酷い仕打ちを受けながら美しい娘へと成長します。しかし継母の策略で命を落としかけたショックから記憶を無くしてしまうのですが、小人たちに助けられ「ブランカニエベス(白雪姫)」と名づけられ「こびと闘牛士団」に入団、闘牛士の才能を開花させていく。

伝統文化と童話を合体させるというユニークな着想と残酷性が合わさった感覚とか、実にスペインらしい。
普通の時はむしろ可愛らしいのですが、とにかく闘牛のときのブランカニエベスが凛々しい!濃くもあってまるで宝塚を見ているかのよう(笑)女性闘牛士としての才能が開花したブランカニエベスは、行く先々で圧倒的な人気を得るようになるのです。
継母エンカルナはカルメンシータが生きている事を知り、毒リンゴによる暗殺を試みる。

失われていた記憶を取り戻した瞬間は音楽とのコラボで盛り上がるシーンでした。観衆の喝采を浴びるも、直後に差し出された毒リンゴによって倒れるブランカニエベス。ここまでは童話とある程度同じなのですが…。
美しい姿のまま、彼女はプロモーターとの永遠の独占契約によって、眠り続ける美女「白雪姫」として見世物小屋で晒されるのだった。∑(´□`;)
それだけならまだしも、観客から金を取って目覚めのキスを試させるという、そりゃないぜな境遇になって。

前半、川で溺れた彼女を引き上げて人工呼吸で息を吹き返させ、そして彼女が目覚めた後もずっとブランカニエベスに想いを寄せている小人のひとりがいる。彼はすでに童話の「目覚めのキス」を終えているのである。ラストで一筋の涙を流すカルメンシータの遺体。それは、彼が再びキスしたことで目覚めたというわけではない。これは、童話とは実はグロテスクで残酷な物語であるという核心をついた物語だったのではないでしょうか。

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