いやいやえん

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フランケンシュタイン

【概略】
母の死をきっかけに、永遠の生命を創造することに取り付かれた若き医学生フランケンシュタインは、絞首刑に処された男の死体を用いて実験を成功させるが、死からよみがえった彼は、それゆえにフランケンシュタインに復しゅうを開始する…。
ホラー


.0★★★★☆
「愛もなく、なぜ造った」 
フランケンシュタインを怪物のほうだと誤解している人が実はけっこういるんですが、創造主の名前がヴィクター・フランケンシュタインです。ケネス・ブラナー、ロバート・デ・ニーロ共演作品。ヒロインにヘレナ・ボナム・カーターさん。ケネス・ブラナー監督+Fコッポラ製作。
単なるモンスターホラー作品ではなく、悲劇として描かれている作品です。造られた人間と創造主、果たしてどちらが「怪物」か。
死を克服するというのは確かに全人類の夢なのかもですが…師事し自分の夢に向かうヴィクターは、熱中のあまりついに一線を越えてしまった。鮮度のよい浮浪の盗人の死体、優れた知性を持つ師の脳、健康な脚などを継ぎ合わせ、ついに「それ」が羊水からでるシーンはまさに誕生。だが結局それは人としての生ではない。でもこの場合、彼の意識は一体誰のものなんだろう。
醜い体を隠し知恵を使って逃れつつも人として学び、たった一つの優しさや愛を求める彼はヴィクターに自分と同様の「花嫁」を作れと頼むんだけど…。
一応かなり原作に忠実なつくりなんです。原作小説はメアリー・シェリー(女性です)が書いた実はSFよりの作品で、本タイトルは「フランケンシュタイン、すなわち現代のプロメシュース」。自己の存在に悩む人造人間というのはホラーというよりたしかに悲劇性や精神性がありますが、実はこれ「ロボット工学三原則」の元にもなってるんだって。(生命創造への憧憬と恐れという意味)
面白いなと思ったのは、あの装置。他のいわゆる娯楽ホラーとしてのフランケンシュタインではないので、装置部分にある種の説得性もありましたね。羊水電解とかね(勿論実際には無理でしょうが)。
どんなに恐れられ憎まれても、やはり人を求めずにいられない彼は非常に哀れ。「名前さえくれなかった」…彼が本当に望んでいたものは、花嫁ではなく、父親であるヴィクターのほんの少しの愛情だったんでしょうね。

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