いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです。個人の感想なのでネタバレしています。

フレンチアルプスで起きたこと

【概略】
家族4人で訪れたスキー旅行。家族揃ってテラスで見物していた雪崩が予想以上に勢いを増し襲い掛かる。全員無事だったものの、その際にとった父の行動に家族は不信感を抱く。
ドラマ


.5★★★☆☆
スウェーデンからやって来た幸せな4人家族をおそう突然の危機。バカンスは5日間、彼らの運命は?
人間心理ですよねえ。優れた観察力による人間描写と、身近で身の丈がわかるスリリングな展開がとても良かった。
フランスの高級リゾートにスキー・バカンスにやってきた、トマスと妻エバ、娘ヴェラと息子ハリーの4人家族。いつも仕事で忙しいトマスは、ここぞとばかり家族サービスに精を出す。バカンス2日目、スキーを楽しみ絶景のテラスレストランで昼食をとっている最中、いきなり爆発音が轟き人工雪崩が起こる。その時、トマスは自分一人だけ逃げだしてしまう。数分後にテーブルに戻った時には、時すでに遅し妻や子供たちの視線はまるで別人のようだった。
この出来事がきっかけとなり、夫婦仲もぎくしゃくし、子どもたちの行動も変化する。気がつくと家族はみんなばらばらで。日常の中のちょっとした行動で、家族の絆が露になるこの作品は、下手なスリラーやホラー作品なんかよりも断然スリリングで恐ろしい。
怖かったのだ。でも、家族を置いて逃げるべきではなかった。頭ではわかってはいても、時間はもう戻らない。じわじわと逃げた責任を圧迫されるトマス。家族側からすれば「夫は(父は)自分たちを見捨てた」という思いしきり。そりゃ軽蔑ですよね。3日目に幼い息子から出た言葉が「ママと別れないで!」だ。妻は仲良くなった他人に問題を話し出すし。ただ猛省してればいいのに、「子供たちも助かったんだからもういいのに」なんて台詞は逃げた父親は絶対言っちゃいけないはずなのだ。
相談されたマッツらカップルにも一抹の不安がよぎる。もし…仮定として自分たちだったら。
最終日の前日夜、泣き崩れるトマスに子供たちが「パパ!」と抱きついてくる。「ママも来てよ!」と。4人で重なり合う家族。子供たちだって何が起きたかわかっている。でも、父親は父親なのだ。そして最終日の今度こそは、妻を助け子供たちの叫びにも応える父親へと変わる。
最終日、バスの運転があまりにも危なく、飛び出す皆の姿は、なんだか一致団結しているようにもみえた。
見ている私たちにも仮定として、もし自分たちだったらと、絆を試されているような作品だった。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。