いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです
個人の感想なのでネタバレしています

僕がいない場所

【概略】
詩人を夢見る多感な少年クンデルは、わけあって孤児院に預けられる。しかし、やがてそこを抜け出し母のもとへ。ところが、町の男たちと奔放に生きる母に嫌気がさしたクンデルはついに一人で生きていくことを決意し家を出る。
ドラマ


.0★★★☆☆
愛を渇望しながらも高潔さを失わない少年の、居場所を求めた心を感性豊かに描いた作品。「大人は誰も愛してくれない」
クンデル役の少年の眉間皺の寄った射るような眼差しがなんともいえない気持ちにさせられる。母親に絶望し、1人で生きていく決意をした少年は町外れの川べりの廃船に住みつくのだけれど、ポーランドの寒々とした風景が、クンデルの孤独感をより際立たせてもいるんだよね。
母親がいながらも孤児院に送られているクンデルはきっとネグレクトでしょう。奔放な母親は「誰かに愛されていないとダメ」だと語る。しかしそれはクンデルの望んだ思い出の中の「ママ」じゃなかった。
少女との出会いは素直に喜ばしいものだった。彼女は美しい姉(ほんとに美少女)に鬱屈した感情をもっていて、愛されない2人の魂はそっと寄り添う事で昇華される。この脆さと繊細さは純粋な子供だからでしょうか。やるせないことだけど、いつだって身勝手な大人のせいで子供の心は切り裂かれてしまうのだよね。クンデルが船の中で少女に泣きながら話すシーンは忘れられないシーンとなった。
少年の存在感のある強いまなざしは、また、ラストのシーンでも遺憾なく発揮されている。どんなに辛い現実が待っていたとしても、決して自分を見失う事はない。名前を聞かれた孤独で気丈な少年の「僕です」という台詞はもっともであり、自分という誇りを高らかに述べた名台詞だと思う。

×

非ログインユーザーとして返信する

あと 2000文字

※は必須項目です。