いやいやえん

映画・DVDの感想ブログです
個人の感想なのでネタバレしています

マザー

【概略】
漫画家・楳図かずおのところに、ある出版社から彼の生い立ちを本にしたいという話が舞い込む。担当編集者・若草さくらは取材を始めるが…。
ホラー


.0★★★☆☆
こりゃあれだ、楳図かずおファンなら設定や演出でニヤニヤしたりの作品だわ。代表作を知ってればニヤニヤ出来ます。
シュールな楳図ワールドになっていました。片岡愛之助さんは楳図かずおとして正しいかはともかく、その母役の真行寺君枝さんはきちっと楳図キャラになってました。特にエンドロールの若草いずみ(漫画イラスト)からのいちえの違和感ない変わりっぷりは見事。母は蛇女的らしく廃校でシュルシュル這うのはちょっと笑えたけど。
またカットの仕方や場の繋ぎ方が凄く漫画的で、悪く言えば色々と無理のある展開でチープなんですが、稚拙で破綻しているようにも見える事柄も、全て計算ずくなんでしょうね。そんな風に感じ取れた。
母の過去が紐解かれるにつれ、父が語った昔話、かずおの手のひらの傷、死の間際の母の言葉などがひとつに結びついていく様は、現実と虚構の間の夢のようなおどろおどろしさがあった。
映画的面白さは正直微妙だと思う。…が、映画が楳図かずおさんの画で描かれていたらきっと怖かったと思うんだよね。あの絶妙な間や空間の取りかた。そんな感じだと思う。(コンテだけでもなんかドキドキしちゃったし)
自分の自叙伝の出版が決まった楳図かずお本人と編集者の周辺に怪奇現象が続出し、亡き母の怨念をそこに絡ませて、楳図かずお自身の母親に対する複雑な感情を織り込みながら進んでゆくというストーリーでした。
私が楳図かずお作品に出会ったのは幼稚園児の時でもう30年以上のお付き合い、独特のあの間の取りかたと美少女に魅せられ、個人的に「おろち」「洗礼」「漂流教室」「赤んぼう少女」「わたしは真悟」「まことちゃん」(順不同)は神だと思っています。
断ち切れない出生の縁、母親との愛憎はすなわち呪いなのかもしれませんね。そんな全ての呪われた子たちへ向けた作品で、とっても楳図かずお的でした。ただ漫画作品が持つ凄まじい迫力に勝る感触までは感じ取れず。それはやはり私の中にある楳図かずお作品が、「ホラー」というジャンルの最高峰に位置しているせいかもしれません。

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